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当たり前のこと二人三脚で

仙台市泉区・単立寺院みんなの寺 天野雅亮住職・和公坊守

2015年3月25日付 中外日報(キラリ ― 頑張る寺社・宗教者)

ふらりと車で立ち寄って、悩みや苦しみを相談していく人もいる
ふらりと車で立ち寄って、悩みや苦しみを相談していく人もいる

仙台市北部の車の往来が多い環状道路に面して、単立寺院「みんなの寺」がある。その名の通りいつでも気軽に足を運べ、仏教に触れられる場所を目指し、天野雅亮住職(47)と和公坊守(36)が2002年に開山。3年後には法人格も取得し、以来、二人三脚で精力的に活動している。

一見すると寺院らしからぬ外観だが、内部は白木をふんだんに使い、温かみが感じられるようになっている。また、本堂は吹き抜け構造で、2階からも法要に参加できるようにした。以前の民家を改装した建物では法務の際に手狭になったため、昨年末に新築移転したばかり。落慶法要には350人以上が集まった。

現在、年間100件近く葬儀を行うようになったが、葬儀社を介さずに口コミを通じての依頼が多い。住職と坊守の人間性や、戒名・法名料がなく金銭的な負担が少ないことなどが評判となっているようだ。天野住職は「仏事には納得が重要。うちでは俗名で執り行うこともあるが、要らないと言われてもよくよく説明すると、仏教とつながるご縁として戒名・法名を受け入れてもらえることも多い」と話す。

また、タウンページに広告を出し、電話での悩み相談を受け付け、テーラワーダ仏教に基づく瞑想会も毎週定期的に開いている。会の終了後には参加者一人一人と話をして、抱える悩みなどに耳を傾ける。天野住職は「半分は自分のため。瞑想や相談は指導するのではなく共にすることで、教えられ育てられている」として、常に「これで良かったのか」と問い掛けながら向き合っている。

地域を盛り上げていきたいと地元の商店会にも賛助会員として参加し、町内会で仏教についての講演を頼まれることもある。「僧侶というよりも、『雅亮さん』として地域の輪に入っている」

和公坊守は、法務や相談等の活動に加えて、近所の特別養護老人ホームでのボランティアを1月から始めた。「老人らは話を聞いてもらえることがうれしいようで、受け入れてもらっています」とほほ笑む。「私たちがやっていることは新しくも特別でもない。寺院や僧侶が当たり前にやってきたことです」と語る天野住職に気負いは感じられなかった。

(佐藤慎太郎)