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青少年の自立を助ける

栃木県栃木市・マルコの家 小田文裕施設長

2015年4月1日付 中外日報(キラリ ― 頑張る寺社・宗教者)

子どもらが暮らすマルコの家と小田施設長
子どもらが暮らすマルコの家と小田施設長

自立援助ホームは義務教育終了後、様々な理由で児童養護施設や里親から離れた20歳未満の青少年が生活する施設。社会福祉法人イースターヴィレッジ「マルコの家」(栃木県栃木市)はカトリックさいたま教区が運営母体で、2010年に設立された。JR栃木駅から徒歩10分の一軒家で現在は7人が共同生活を送る。リビングルームでテレビを見ながら談笑する子どもたちの声が響く。小田文裕施設長(62)ら職員が交代で常駐。食事作りなど生活支援や就職指導を行う。

開設時から施設長の小田氏は妻から結婚の条件に教会へ通うことを求められ、カトリック信徒になった。教会の外国人支援に関わり、仲間の弁護士の勧めで4人の里子を引き受け、うち1人を養子とした経験を持つ。子どもは親族からの虐待などで、大人が信用できない状態でホームへ来る。まずは家庭的な雰囲気で接し、信頼関係を築くことが必要だ。

これまで約30人が利用し、平均2、3年をマルコの家で過ごす。最終目的は生活費を稼いでの自立。午後10時の門限はあるが、鍵付きの個室が与えられ、室内には職員は一切関与せず、自主性を尊重する。

子どもは児童養護施設と異なり、食費・光熱費などの利用料月額3万円を自分で支払う。養護施設では公費負担の医療費や保険料も働いて工面する。さらに20歳の誕生日までに自立の準備費を貯金しなければならない。厳しい条件下、高校へ進学する子は少なく、今後は進学支援にも力を入れたいと小田氏は語る。

ホームを出て音信不通になる子もいるが、近所で暮らす子も多い。税金など、初めての一人暮らしで直面する様々な問題に助言を求めてくることもしばしば。ふらりと訪ねてくる子は「いつでもウェルカムです」。ホームは自立後の実家の役割も果たす。手がかかった女の子から「いい人が見つかったので結婚式に出て、父親の役をやってほしい」と頼まれたのが最近うれしかったことと小田さんは目を細める。

(山縣淳)