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東京で毎月仏教講座、200回超す

山口県下関市・日蓮宗護国寺

2015年8月5日付 中外日報(キラリ ― 頑張る寺社・宗教者)

仏の心を意識するようにと説く西嶋宏文住職
仏の心を意識するようにと説く西嶋宏文住職

山口県下関市の日蓮宗護国寺は20年以上、東京で毎月、仏教文化講座を開いている。地元を離れ首都圏で暮らす檀信徒にとって、故郷の言葉で語られる教えは懐かしさとともに胸の奥まで響き、大都会での慌ただしい日常で曇った心をリセットする貴重な機会となっている。

「日蓮聖人の言うて摂受というのは、なんですいね……」

皇居を望む東京都千代田区のホテルの会議室で、山口弁の講義が行われる。『法華経』と宗祖遺文を1時間ずつ、西嶋宏文住職(31)の解説で読み進めていく。

7月28日の第212回講座では、「陀羅尼品」と『開目抄』をテキストに摂受折伏などが説明された。合間には下関の地元情報などの雑談も交え、予定の2時間はあっという間に過ぎた。

20年来通っている女性は「月に1回こうして話を聞くと気持ちが安定する」。半年ほど前から参加しだした女性は「懐かしい言葉が飛び交う空間にいるだけでも落ち着く」と話す。

西嶋住職は「東京との往復は大変だが、皆さんが熱心に聞いてくださることが何よりありがたい。話す側にとってもよい勉強の機会」と感謝する。

講座を始めたのは好文前住職(65)。宗務院(東京都大田区)の会議で東京に行くたびに、日本を元気にするにはまず首都からだと感じたという。

そしてどうせやるなら東京の中心を会場にと考え、檀家の協力で虎ノ門に会議室を借りて1994年に開講した。何度か会場は移ったが、毎回5~10人が参加し続けている。

好文前住職は「人間には誰しも仏の部屋と鬼の部屋があり、特に東京のような厳しい世の中で生き抜くには鬼の部屋を使ってしまう。仏の方に重心を傾ければ生きやすくなるのだが、簡単過ぎて理解されにくい。温かな心で生きられる人が少しずつでも増えるよう続けていきたい」と話す。

(有吉英治)