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100年続く講座、門徒の誇り

浄土真宗本願寺派滋賀教区野洲組

2015年8月19日付 中外日報(キラリ ― 頑張る寺社・宗教者)

記念すべき第100回講座を受講する門徒ら。講師は龍谷大の鍋島直樹教授が務めた
記念すべき第100回講座を受講する門徒ら。講師は龍谷大の鍋島直樹教授が務めた

浄土真宗本願寺派滋賀教区野洲組。琵琶湖東岸に位置する滋賀県野洲、守山の両市にある同派寺院55カ寺が所属する同組の“宝”は、1916(大正5)年に始まり、今日まで100年にわたり連綿と続く「野洲組夏季仏教講座」。先月31日から今月2日まで記念すべき第100回の講座が開かれ、延べ約370人の僧俗が共に親鸞聖人の教えを学んだ。

この講座は、本願寺の夏安居に倣って僧侶の研鑽の場「教令講」として始まった。勧学、司教など碩学を講師に迎え、7日間にわたり住職らが本願寺赤野井別院(守山市)の本堂で教学の学びを深めた。

戦時中も一度も中断されることはなく、56(昭和31)年の第41回頃からは門徒や坊守、寺族にも門戸を開放した。

現在では、毎年7月末から8月上旬にかけ、土曜・日曜を含めた3日間開講され、各日とも午前中は住職・僧侶、そして午後は坊守ら寺族婦人や門徒総代・世話役、仏教婦人会員・壮年会員らが順番で受講する。

日数が短縮されたのは時代の流れ。公務員などと兼職する住職が増え、「土・日と、もう1日という線」に落ち着いたそうだ。

講座の運営を担うのは組内7ブロックから1人ずつ選ばれた7人の主事で、各寺院が「門徒1戸につき250円」の運営経費を負担し合う。組を挙げての手作りの講座だ。

「会場が赤野井別院にずっと固定されていること、そして、何よりも親鸞聖人のみ教えを末永く後世に伝えたいというみんなの思いが、今日まで続いてきた一番の理由だと思います」

こう話すのは、半世紀にわたり講座に関わり続ける野洲組組長の小川信正・正覺寺住職(71)。

「特に総代さんらが熱心に聴講している。その姿が我々住職の励みになっています」と言うように、毎年、15人前後の住職が3日間皆勤で表彰されている。

同寺総代の西村為国男さん(74)は「真宗の勉強もでき、また共にお念仏を喜び合える法の友もたくさんできました」と話し、「100年間続けてこられたのは、私たち『江州門徒』の大きな誇り」と胸を張った。

(西谷明彦)