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心に平和 広がる「無村塾」

広島市西区・天台宗単立太光寺

2015年8月26日付 中外日報(キラリ ― 頑張る寺社・宗教者)

無村塾の最後にまとめの発言をする東副住職
無村塾の最後にまとめの発言をする東副住職

広島市西区の天台宗単立太光寺の東和空・副住職(51)が主宰する好奇心交遊会「無村塾」が、6月に400回を数えた。

「人間は裸で生まれ、裸で死ぬ。たとえ地位と名誉を得たり、財を築いても、所詮それは現世のものであって彼岸に持って行くことはできない。本当の人生の価値観を多くの人と学び合いたい」

「無村塾」は東副住職がこのような願いを込めて、2004年から開いている茶話会形式の人間塾だ。18歳以上なら国籍、性別、職業、宗教等を問わず誰でも参加できる。また、やる気がある人なら“のれん分け”で独自の塾を主宰することもでき、若者を中心とした「Jokigen無村塾」、サラリーマンや経営者が中心の「ビジネス無村塾」、終末期医療について考える「ビハーラ無村塾」など広がりを見せている。

現在、同寺を含む広島県内約10カ所で、月に1度のペースでそれぞれの塾が開かれている。個人宅や福祉会館、カフェなど会場も様々で5~15人が参加する。東副住職も全ての塾に参加し、最後にまとめをする。

参加者には仕事や生活に疲れたり、悩みを抱えていたりする人もいる。そういう人たちが塾で自分の思いを話し、参加者がそれを共有して自分のこととして考え、励まし合う。布教活動ではないため、東副住職が参加者に仏教的な話を押し付けることはないが、生老病死に関わるテーマなどでは、自ずと仏教の教えに基づく話となることもあり、参加者の精神性を深める一助になっている。

「何事も前向きに取り組めるようになった」「自分の意見を堂々と言うことができるようになった」「家族と話す機会が増えた」「人の気持ちが分かるようになった」など、様々な効果が生まれている。

「地域の人々の心の平和の開発と、心のバリアフリーを実現することが私の願いです」と東副住職。

無村塾以外にも、広島の町と広島湾を見渡せる境内や、多目的ホールと宿泊施設を有する研修会館「和氣殿」を一般に開放、平和学習や子育て研修会、ヨガ教室、社交ダンスの会など文化活動に利用され、市民の憩いの場として地域に開かれた寺院づくりを実践している。

(河合清治)