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京都市東山区・真言宗泉涌寺派戒光寺 渡邊恭章住職

2015年11月4日付 中外日報(キラリ ― 頑張る寺社・宗教者)

法話会で渡邊住職から地獄絵図の話を聞く参加者ら
法話会で渡邊住職から地獄絵図の話を聞く参加者ら

京都市東山区・真言宗泉涌寺派戒光寺の渡邊恭章住職(52)は昨年6月から、自坊で「雑談法話会―お坊さんに聞いてみよ」を始めた。住職が毎月テーマを決めて話をし、参加者とざっくばらんに語り合う催しで、檀信徒や地元市民ら20人前後が参加する。

渡邊住職は、花まつりや施餓鬼会など自坊で折々の法要を勤めた後、時間を取って参拝者に語り掛けてきた。新たな法話会を始めたのは「法要に合わない話題もあり、毎月開くことにした。一般の人がお坊さんと話をする機会はあまりないと思う。気軽に参加し、お寺を身近に感じてもらえれば」との願いからだ。

毎月第3火曜日の午後7時から客殿で開く。内容によって机を並べたり、車座になったりするが、「同じ目線で、座って話すように」心掛ける。

9月は「般若心経」、10月は「守り本尊」をテーマにした。戒光寺は四宗兼学の道場として栄えた総本山御寺泉涌寺の塔頭寺院。真言密教だけでなく浄土や禅の教えも絡めて話す。法話会は「分かりやすい」「肩肘張らずいろいろなことを聞ける」と好評だ。

参加者のリクエストも増えてきた。9月の写経体験や、4月の高野山団体参拝は要望に応えて実現。話を聞くだけにとどめず実践が大切との思いから、今後も精進料理教室や写仏、十三霊場参りなど「体験型」の法話会を検討中という。

戒光寺の本尊は「京都の大仏」として知られる重文の丈六釈迦如来像。参拝者も多いが、近年は「拝む」人が減った。「見学」するだけの人や、中にはライトを照らしてのぞき込む人もある。「今の若い人は知識は豊富だが、経験不足でできないことが多く残念。お参りの仕方も同じ。教えてあげれば言われた通りにしてくれる。失敗から学べばいい。実践する癖をつけるよう伝えたい」

宗派では教学部長を務め、地元の人たちと本山との絆づくりにも心を砕く。昨年は町内会、今年は社会福祉協議会のメンバーを本山に招待した。

渡邊住職は「お寺も社会の仕組みの一つ。地域で精神的、文化的なものを担うのがお寺の役割であり、どんどん利用してもらったらいい」と呼び掛ける。

(飯川道弘)