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子どもの表現力育みたい

滋賀県長浜市・浄土真宗本願寺派龍本寺 丁野真美坊守

2015年11月18日付 中外日報(キラリ ― 頑張る寺社・宗教者)

本願寺山科別院の蓮如上人誕生600年記念法要で一人芝居「嫁おどし」を演じる真美さん
本願寺山科別院の蓮如上人誕生600年記念法要で一人芝居「嫁おどし」を演じる真美さん

滋賀県長浜市にある浄土真宗本願寺派龍本寺坊守の丁野真美さん(46)は一人芝居を演じる役者でもある。真美さんは「演劇の魅力である自己表現の楽しさ」などを地域の子どもたちに伝えることで、地域の文化の向上に取り組んでいる。

龍本寺がある旧湖北町丁野地区には、戦国武将浅井長政・お市の方の居城の小谷城があった。そのため歴史好きの人が多く、小谷城落城の物語などを題材にした芝居などが地元の人たちによって上演されることも多い。

真美さんも小学生の頃から大人に交じってこうした“村芝居”の舞台に立ち、次第にその魅力に引き込まれていったという。

かつて劇団員として活動していた真美さんは、1995年に結婚したのを機に自坊に戻ると、芝居好きの地元の人たちに演劇指導などをした。

その後、自坊が運営する小谷保育園の副園長に就任してからは、坊守、保育士、役者というそれぞれの立場から、園児や子どもたちに自己表現や創作の楽しさを伝えようとしている。

「お芝居の魅力は、観客によって演じるたびに自分の新しい表現力が引き出されてくること。園児や子どもたちはそれぞれに、自分の内面にあるものを何らかの形で表現することを通し、成長していく」という真美さんは、園での遊戯や絵画、音楽、そして自坊の子ども会での映画作りなどに力を入れている。

映画の撮影は地域の歴史などをテーマに子どもたちと一緒に村の中でロケを行い、みんなで協力しながら一つのものを作り上げる喜びを子どもたちに伝えるとともに、自分たちが暮らす地域に関心や愛着を持ってもらうようにしている。

「青色青光 黄色黄光」――「阿弥陀経」に説かれた、一人一人がそれぞれの色(個性)を持っており、それが光り輝いている世界。

真美さんは「経典にあるように、子どもたちはそれぞれに素晴らしいものを持っています。それをどう引き出していくか。子どもの頃に地域の大人たちからお芝居の楽しさを教えていただいた私にできる古里への恩返しは、子どもたちの表現力を育むことです」と語った。

(西谷明彦)