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新感覚、ガラスペン写経

東京都新宿区・曹洞宗大龍寺 太田賢孝副住職

2015年11月25日付 中外日報(キラリ ― 頑張る寺社・宗教者)

般若心経の一画一画を緊張した面持ちで丁寧に書写する参加者
般若心経の一画一画を緊張した面持ちで丁寧に書写する参加者

早稲田大にほど近い曹洞宗大龍寺(東京都新宿区)の太田賢孝副住職(43)は、ガラスペンで般若心経を写経する講座や子育て中の母親のための坐禅会を開くなど、様々な行事を通じて檀信徒、一般の人たちとのつながりを大切にしている。

数年前に太田泰信住職から寺院を任された太田副住職は、檀家と近隣住民を分け隔てすることなく催し物を企画している。お寺は開かれたものであるべきだとの思いからだ。

12年前に永代供養塔を建立した。生前に申し込んだ人たちの交流の場をつくろうと当初、『正法眼蔵』や『修証義』の勉強会を開いたが、内容が難しかったため、「お経の唱え方講座」に変更するなどの試行錯誤を続けるうちに、ブログを見た人や坐禅会の会員など一般の人の参加が増えた。

今年6月からは写経を始め、11月7日はガラスペンによる写経講座を開いた。ある時、檀家が営む文具専門店でガラスペンを見つけ、思い付いた。ペン先がソフトクリームのような形になっており、インクを付けて紙に書く。日本発祥のつけペンだ。「先が細く、力を入れると折れるのではと思ってしまう。だから一画一画を丁寧に書く。パソコンなどで入力することが多くなった今、手書きの温かさを感じてもらえれば」と太田副住職。

当日は16人が参加し、墨汁の濃淡が一文字一文字に現れる味わい深いガラスペンの世界を楽しんだ。参加者の一人は「初めてだったので新鮮な体験で面白かった」と話した。

他にも夏休みの宿題(読書感想文)を指導する会や朝粥を食べる会など様々なことを行っている。中でも子育て中の母親のための「こもり坐禅会」は好評。きっかけは育児休暇中の母親と早稲田大の学生からお寺で何か社会活動をしたいとの話を持ち掛けられたこと。母親が育児を離れ坐禅する間、学生が子どもの面倒を見る。学生は母親の苦労を知るとともに、仕事と結婚、子育てと大学では教えてもらえないことが聞ける良い機会になっている。

太田副住職は「せっかくなので、生きているうちにお寺に来てほしい。入り口を多くするためにも、今後もいろいろなことを企画していきたい」と抱負を語っている。

(赤坂史人)