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仏教に親しむ漫画図書館

東京都港区 浄土宗多聞院

2016年1月27日付 中外日報(キラリ ― 頑張る寺社・宗教者)

くつろぎながら自由に漫画を読むことができる
くつろぎながら自由に漫画を読むことができる

浄土宗大本山増上寺からほど近い東京都港区のオフィス街の一画に「お寺の漫画図書館」がある。昨年10月に浄土宗多聞院内に開設されたばかりだが、手塚治虫の『ブッダ』をはじめ、『聖☆おにいさん』『孔雀王』といった仏教に関連する漫画ばかり約300冊を所蔵。蔵書の貸し出しはしていないが、畳の上でくつろぎながら自由に読むことができる。

多聞院は、関東十八檀林の筆頭として最盛期には3千人もの僧侶を抱えた増上寺の学寮の一つだった。大正期には、大本山百万遍知恩寺法主となった中島観琇や光明主義を説いた山崎弁栄が「聖者の家」の表札を掲げて寄宿。その後、大学の学生寮となっていた時期もある。

2019年には同院ゆかりの弁栄上人百回忌を控える。館長の土屋正道住職(56)は、こうした念仏道場としての多聞院の歴史的経緯を踏まえ、「一般の人が仏教に親しみを感じ、念仏に関心を持ってもらうための入り口をつくりたい」と発心。土屋館長が毎年5月に増上寺で行っている「24時間不断念仏会」を縁に知り合った宿坊研究会の堀内克彦代表に相談し、漫画図書館を開館することにした。同じく縁のあった高野山真言宗の尼僧で漫画家の悟東あすかさんには、マスコットキャラクターをデザインしてもらった。

土屋館長は「徒弟や縁あって関わった人がアイデアを持ち寄って運営している。地域のコミュニティースペースとしても人が集えるようにして、たくさんの人に利用してもらいたい」と語る。

入館は無料で、開館時間は土曜日の午前10時~午後5時と月曜日の午後6~8時。入退館時には本尊にお参りしてもらう。希望者は写経・写仏もできる。蔵書も少しずつ買い足して充実させながら、今後は月に1度の読書イベントや出張版漫画図書館も企画している。

仕事帰りに開館の掲示を見掛け、この日初めて立ち寄った会社員の30代の男性は「入るまでは少し不安だったが、(畳の部屋は)アットホームな雰囲気で落ち着く。仏教の漫画というものがこんなにあるとは思わなかった」と話し、次の来館を館長に約束していた。

(佐藤慎太郎)