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子も大人も共に育て合う

大阪市天王寺区・浄土宗光聖寺 秋田光哉住職

2016年2月3日付 中外日報(キラリ ― 頑張る寺社・宗教者)

元気いっぱいに歌う園児の姿を撮影する秋田住職
元気いっぱいに歌う園児の姿を撮影する秋田住職

バイオリンやビオラなどを携えた音楽家が待ち構える部屋に、元気な子どもたちが次々に入室してきた。1月22日、浄土宗光聖寺を母体とする蓮美幼児学園の三つのナーサリー(保育所)に通う約150人の園児が集い、音楽鑑賞会が開かれた。プロの生演奏に触れてもらおうと企画された初めての試みだ。

学園長の秋田光哉・光聖寺住職(55)は「本物の音に触れてほしい。いつかこの中から、プロの演奏家が出てくれれば」と期待する。演奏をお行儀よく聴くのは、園児たちにはまだ難しい。最初はソワソワする男の子や、よそ見をする女の子もいたが、軽快な「ドレミのうた」のメロディーが奏でられると、会場の雰囲気が一変。

かわいい大合唱が始まり、秋田住職はスマートフォンを子どもたちに向けシャッターを切った。映像はメールで家族や職員に送る。「この楽しみを共有したい」。そこには、園児たちと一緒になって自在に楽しむ姿があった。

師父の秋田光茂氏が提唱する、総合幼児教育を基本に据えた蓮美幼児学園のかじ取りを担ってきた。教育保育の在り方が評価され、次々に保育所が開設されていった。気付けば開園予定も含め、大阪や東京を中心に28の園を運営するまでになった。

「それぞれの園を厳しく管理するのでなく、子どもたちと職員が共に育て合う場をつくることが大切。緩やかなまとまりがあれば、それでいい」と願う。

今年、新たに障がい者の就労支援に乗り出す。兵庫県芦屋市を拠点に、約20人を雇用する。

既存の社会福祉法人「光聖会」として事業を展開することもできるが、「ゼロから始めたい」と新たに一般社団法人「共生会」を立ち上げた。就労支援の取り組みが軌道に乗れば、近畿圏で拡大させる。

将来的には農園で野菜を栽培し、園児たちの給食の材料にすることや、子どもたちが一緒に農作業を体験する場をつくりたいと考えている。秋田住職は「障がいがある人と一緒に働くことで、子どもたちには、相手を尊重して認め合う優しい心が育まれるはず」と話した。

(丹治隆宏)