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智朝尼の讃祷歌 歌い継ぐ

東京都渋谷区 真言宗智山派智韻寺

2016年3月2日付 中外日報(キラリ ― 頑張る寺社・宗教者)

国内外で演奏を重ねてきた讃祷歌合唱団
国内外で演奏を重ねてきた讃祷歌合唱団

真言宗智山派智韻寺(東京都渋谷区)では毎週のように合唱練習の声が響く。曲は初代住職の新堀智朝尼(1936~99)が遺した讃祷歌だ。

医師の父親が地蔵菩薩の篤信者で、幼少時に身体が弱かった智朝尼もその感化を受け、60年に得度。智韻寺の前身となる代々木教会の主管を務めていた。80年頃から自然と歌を口ずさむようになり、「不思議やな」(不動明王)、「うつしみの」(釈迦如来)など十三仏を題材とした曲が次々と生まれた。これらを讃祷歌と名付け、おつとめで信徒と歌い始めた。

82年には「讃禱歌朋の会」も設立され、都内で第1回公演を開催。国内やアメリカ、中国、バチカンなど海外でも公演を重ねた。

花まつりなどを題材にした子どものための「わらべさんとう歌」、「延命十句観音経」といった経典や、宮沢賢治の詩、鶴見照碩・大本山成田山新勝寺貫首(故人)、高橋隆天・大本山川崎大師平間寺貫首(同)ら支持者の詩に曲をつけた作品など様々な歌が作られた。『詩曲・歌マンダラ讃祷歌』には144曲が収録されている。

89年に開山した同寺の名も、讃祷歌に由来する。「宗教・宗派を越えてあらゆる人間が神さま仏さまを讃える心の合唱歌たらんとして生まれました」と同寺のしおりで智朝尼は振り返る。

没後は長男の新堀智韻住職が同寺を継承。現在は東京芸術大の学生時代から合唱団に参加した、作曲家・指揮者の吉岡弘行氏ら3人が指導する。

埼玉県蕨市にも月1回開催の蕨教室があり、両教室に約40人が所属。合唱経験者からは「普通の歌とどこか違う。歌ったことがない和音や音の響きがあり、歌っていて気持ちがいい」との声も。

同寺では阿字観の際に尺八で曲を演奏したCDが流される。おつとめの際にも数曲を歌うなど、様々な形で教化に生かされている。

川崎大師の御影供まつりでの奉詠は長年続けられており、今年も18日午前11時半からの「御花奉納式」で合唱団の歌声が大本堂に響き渡る。

教室などに関する問い合わせは同寺=電話03(3379)7577。

(山縣淳)