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声明と協演 本堂で音楽会

東京都府中市 真言宗豊山派光明院

2016年4月13日付 中外日報(キラリ ― 頑張る寺社・宗教者)

本堂を開放しての梵音会では毎回、出演者と豊山声明のコラボレーションが行われる
本堂を開放しての梵音会では毎回、出演者と豊山声明のコラボレーションが行われる

東京都府中市の真言宗豊山派光明院は、1996年から本堂を開放したコンサート「梵音会」を行っている。昨秋で20回を数え、一般の人と寺院をつなぐ懸け橋となっている。

檀家以外の人にも寺院に来てほしいとの思いがあり、本堂落慶を機に始めた。本堂の内陣を一段高く設計し、ステージのようにした。スピーカーの位置や音の反響なども考えた。

小川亮昌住職(71)は学生時代、映画演劇部に所属するなどの芸術通で、声明の大家で人間国宝の青木融光氏の弟子、孤嶋由昌・金蔵院住職に長く声明を教わり、音楽に対する思い入れも強い。

「音楽は人の心を揺さぶり、心の琴線に触れるような体験ができる。また、このような芸術で心を開くことができなければ、仏教に親しむこともできないのでは」というのが持論だ。

「梵」はインドや仏を意味し、「梵音会」は「仏様の音楽会」のことだ。初めに必ず声明を行うが、これは声明に会場を清める働きがあるためだ。そうすることで聴衆の心が静まり、より一層コンサートの魅力を引き出せるという。

これまでに三味線や縄文笛、イスタンブールの音楽、中国古箏、インド古典音楽、竹を使ったバンブーオーケストラなど様々な楽器や楽曲が演奏されてきた。20回目となった昨年11月は「東京大衆歌謡楽団」が公演し盛況だった。

出演者は小川住職が直接交渉する。テレビで見たり、インターネットのユーチューブなどを参考に依頼。寺院での演奏は初めてという人も多いが「お寺でできるならと、意外に協力的」という。法事の施主が東京交響楽団の団員だったことから、公演が実現したこともある。

近年は、フルートを演奏する小川竜也副住職(40)が声明を披露する機会も多く、「だんだん副住職の意見が強くなってきた。かつてのように独断で出演者を選ぶことはできなくなりつつある」と苦笑する小川住職。

演奏者によって集まる年齢層ががらりと変わる面白さも感じつつ、「あっという間の20回だった。今後もずっと続け、一般の人たちがお寺に親しむきっかけを提供し続けたい」と語っている。

(赤坂史人)