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自作の盆踊りは海を越え

大阪府大東市・浄土真宗本願寺派教照寺 岡橋晃鸞前住職

2016年6月1日付 中外日報(キラリ ― 頑張る寺社・宗教者)

ロサンゼルスのガーディナ仏教会で開かれた盆踊りでの岡橋前住職
ロサンゼルスのガーディナ仏教会で開かれた盆踊りでの岡橋前住職

大阪府大東市の岡橋晃鸞・浄土真宗本願寺派教照寺前住職(80)は二十数年前から盆踊り曲の作詞・作曲に取り組んでいる。これまでに制作したのは10曲余り。サンバ調の曲は現在、同派のハワイ、北米の両開教区に定着し、毎年7月に開かれる盆踊りには一般市民も含めて数千人が参加する盛況ぶりだ。

書道指導の書家としての顔も持つが、「書はそれを見た人だけの味わい。歌は聞いた人にどんどん広がっていく」と一念発起し、独学で作曲を学んだ。

学生時代に合唱の経験があり、歌う喜びや楽しみはよく知っている。蓮如上人が残した「心して聴聞すれど忘るるを歌に詠めよと師のたまわく」「聴聞を憶念するの手だてにて歌に託すは有難きかな」との言葉が座右の銘だ。

社交ダンスも嗜み、そこで培った様々なリズム感も曲に反映させている。約20年前にハワイ開教区で「幸せサンバ」を披露すると大好評。評判が北米開教区にも伝わり、同開教区の要望に応えた「シアトルサンバ」も作曲している。

「人生色々夢がある わが見る夢は唯一つ 歌や踊りに花咲かせ 仏のみ教え道を説く ああわが人生広く世界をかけめぐり 命をかけて夢かけて 真実のみ法を弘めゆく」(幸せサンバ)。そんな仏徳讃嘆の歌詞に日本の所作を基にした振り付けを創作。ハワイや北米の盆踊りでは見物人を含めて1万人以上が集まることもあるという。

「まさかこんなにヒットするとは」と話す前住職は「歌詞を味わいながら踊ると皆、法を喜ぶ素直な気持ちになってくれる。そこに僧侶と門徒の区別はない」と目を細める。

現在は「白道」の踊りの振り付けを考案中。10年前に作曲し、親しくしていた女性開教使の死をきっかけに3年前に作詞した追悼歌だ。

女性は訪米時に毎回、前住職を世話した84歳の日系2世。「6年前に現地のベトナム人家庭に招かれ、私と勤行している最中に急に倒れて亡くなられた。後になって『私は岡橋先生のファン。先生がアメリカに来ているうちに死ねれば』と話していたと聞いて驚いた」と振り返り、「事実は小説よりも奇なり。いのちのはかなさを教えていただいた」と偲ぶ。

(池田圭)