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紙芝居で仏教 病後もなお

大阪府河南町・浄土真宗本願寺派観念寺 宮本直樹住職

2016年8月3日付 中外日報(キラリ ― 頑張る寺社・宗教者)

真宗大谷派光善寺の一行に「三尺三寸のお箸」を演じる宮本住職
真宗大谷派光善寺の一行に「三尺三寸のお箸」を演じる宮本住職

大阪府河南町・浄土真宗本願寺派観念寺の宮本直樹住職(56)は画才を生かし、様々なテーマで紙芝居を制作、自坊や福祉施設などで上演し、仏の教えを分かりやすく説いている。

これまでに約150本を制作。ジャンルは仏教、宗教の他に文学、昔話、現代物など幅広い。「お寺の出前!紙芝居屋亭」と称して各地に出向き、依頼は引きも切らなかった。

ところが2年前の3月4日、大きな転機を迎える。大阪市内のホールで約800人を前に上演中、突然、脳出血を起こして救急車で運ばれた。手術後、懸命にリハビリに励み、約2カ月で無事に退院した。

最初に運ばれた病院が会場の間近だったことも幸いし、不自由だった右半身の機能もほぼ回復。宮本氏は「仏様のお導きだったと思います」と振り返る。

紙芝居上演は退院の半年後に再開したが、「出前」を減らし、自坊中心に切り替えた。名付けて「お寺で待つday(デェ~)」。

地域の子供たちや老人会、西は岡山、東は愛知辺りまでの寺院が婦人会や総代会の旅行、研修等で観念寺を訪れる。「『大きなお寺を見るのは飽きた』『住職さんのお話を聞きたい』と。こちらからあまり行けなくなったので、来てくださるのはうれしいですね」

大阪府茨木市の真宗大谷派光善寺仏教婦人会が、研修ツアーで4月に約30人でやって来た。法蔵菩薩が阿弥陀仏になるまでを描く「阿弥陀仏物語」と、宮本氏が好んでよく演じる仏教説話「三尺三寸のお箸」を観賞した。参加者は「全然知らなかったお経の内容がよく分かりました」などと感想を語っていた。

紙芝居の制作は年3、4本と以前の半分のペースになったが「病気になってから、どうすれば宗教的な人間になれるのかという関心が高まり、妙好人(浄土真宗の在俗の篤信者)を描くことが多くなりました」。

入院中は檀家らが毎日のように見舞いに訪れた。寺では家族が何かと支えてくれ「絆や結束が深まった」と実感する。「出前」の依頼は多いが、今は体調を考えて回数をセーブしながら続けている。宗教と医療・福祉の現場が密接に手を携えて人々の幸せに尽くす日が来ることを夢見ながら――。

(飯川道弘)