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苦縁―東日本大震災 寄り添う宗教者たち
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高齢者には貴重な情報源

宮城県石巻市・真言宗醍醐派大宝院 天野秀栄住職

2016年9月14日付 中外日報(キラリ ― 頑張る寺社・宗教者)

和やかな雰囲気で編集方針について話し合うメンバー(左から2人目が天野住職)
和やかな雰囲気で編集方針について話し合うメンバー(左から2人目が天野住職)

宮城県石巻市の天野秀栄・真言宗醍醐派大宝院住職(36)は、日々の法務に加えて、東日本大震災の被災地で発行されている情報紙の編集部代表を務め、地域の復興支援に取り組んでいる。

復興支援活動をしている一般社団法人「BIG UP石巻」の原田豊・代表理事の呼び掛けで、大宝院や日本基督教団のエマオ石巻など5団体が集まり、2014年から毎月1回、情報紙『ゆくゆく輪』を発行している。15年には編集部を独立した組織にするため、任意団体を設立した。

『ゆくゆく輪』は同市釜・大街道地区の住民の取り組みやイベント案内などを掲載。これまでには「ゆくゆくは…釜・大街道どうなるの?」などの特集を組み、世帯数の変動や近隣の小中学校の生徒数の推移、新たに造られる道路や橋、駅の情報を、避難場所を記入した地図と共に紹介した。町内会などを通じて6千部を同地区のほぼ全ての世帯に配布している。

記事は各団体からそれぞれ持ち寄り、編集部代表の天野住職もノートとカメラを手に自ら取材に出向くこともある。

今年8月には、大街道地区にある宮城県高齢者生協が運営する交流サロンを訪れ、参加者がフラダンスや民謡を披露する夏祭りの様子を写真に収め、理事長から話を聞いた。「石巻に来て4年。まだまだ知らないことも多く、新しいことの発見ばかりだ」と話す。

発刊から2年がたち、取材依頼や読者からの応援メッセージも寄せられるようになり、『ゆくゆく輪』は地元に定着しつつある。

天野住職は「住民の多くが高齢者でインターネットよりも紙媒体を貴重な情報源としてくれている。災害や復興に関する情報を掲載するとともに、地元の活動の紹介を通じて参加を促し、地域活性化につなげようとしている。今後は地域の人たちが主体となって引き継いでくれたら」と言う。

編集部では、バックナンバーを読むことができるホームページ(http://yukuyukuwa.jp/)を設立し、『ゆくゆく輪』の発行のための資金を募っている。問い合わせはゆくゆく輪編集部(天野住職)=電話0225(23)2508。

(甲田貴之)