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離郷者と縁、法要を企画

広島県三次市・浄土真宗本願寺派東光坊 坂原英見住職

2017年2月8日付 中外日報(キラリ ― 頑張る寺社・宗教者)

本願寺広島別院で1月に行われた「ふるさと法要」。右が坂原住職
本願寺広島別院で1月に行われた「ふるさと法要」。右が坂原住職

かつて過疎率で3回日本一になった広島県北部の町、三次市作木町の浄土真宗本願寺派の3カ寺が1月28日、離郷して広島市や周辺の都市部に住む人たちに法義の縁を結んでもらおうと、広島市中区の本願寺広島別院を会場に「ふるさと法要」を行った。行事には地元自治体関係者や町おこしグループも参画して盛り上がり、お寺を通して離郷者との縁が保たれることで、過疎化の進む地域の活性化にもつながればと期待されている。

行事を主催したのは町内の浄圓寺、蓮光寺、東光坊の3カ寺で、中心となって企画したのが本願寺派総合研究所研究員を務めている坂原英見・東光坊住職(55)だ。

「ふるさと法要」を行うきっかけとなったのは、2015年に作木地区の住民を対象にした寺院調査に携わったことだった。

調査では、聞き取り調査した人の約90%が「村(三次市に編入前は双三郡作木村)の象徴として、寺院を存続してほしい」という願いを持っていることが分かった。さらに、このまま村(町)で生きていきたいという人が85%だったが、子どもたちが村を出るのはやむを得ないという人が半数を上回っていた。

「これまでに村を出て行った人たちは、都市部の寺院に所属するでもなく、私たちも年賀状などでの文書伝道を行う程度で、宙ぶらりんの状態でした。そうした人たちへのアプローチが必要なのではと、3カ寺で話し合い、企画したのが、今回のふるさと法要でした」

作木のお寺に来ることはできずとも広島別院とご法儀の縁を結んでもらうことを初期の目的として、初めて開催。

予想を上回る40人が参加し、3カ寺の住職を導師にお勤めし、小野嶋祥雄・総合研究所研究員が「はじめて聞く仏教」と題し講演。さらに、仏事なんでも相談や「真宗のお仏壇、おかざりしてみませんか」と題したワークショップ、作木の名産品販売、ビンゴゲームなどを楽しんだ。

坂原住職は「ふるさと法要に参加したいと事前に車椅子のトレーニングをして来られた80代の女性もおられました。再び開催してほしいとの声も多くありました。来年以降も継続していきたいと思います」と話した。

(河合清治)