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絵画など通じて聞法誘う

大阪市阿倍野区・真宗大谷派即応寺

2017年3月22日付 中外日報(キラリ ― 頑張る寺社・宗教者)

夫婦で芸術的センスを発揮する真隆副住職と麻美さん
夫婦で芸術的センスを発揮する真隆副住職と麻美さん

大阪市阿倍野区・真宗大谷派即応寺の藤井真隆副住職(39)、麻美さん(39)夫妻は絵画を交えた様々な伝道活動に取り組んでいる。真隆副住職は4こま漫画「お笑い まんが念仏道場」を寺のホームページに連載し、チョークアート講師の麻美さんは絵画体験と参加者の座談会を合わせた交流の場「お寺に“おいなはれ”」を隔月で開催。「お寺を一般の方にも“見える化”していきたい」と口をそろえる。

まず副住職。大谷大在学中は「お笑い志望」で、大手芸能事務所が主催するイベントに漫才で出演したこともある。「お寺の場で笑いを課題にしたい」と漫画の制作技術を独学で身に付け、2年前から月に1回のペースで新作を掲載。コミカルなタッチの登場人物のしぐさやセリフを通して仏教の考え方を表現する。

一方、在家出身の麻美さんは寺の定例行事に接する中、「参加者は毎回同じメンバー。このままでよいのか」と疑問を感じ、やはり2年前から一般市民にも参加を呼び掛ける「お寺に“おいなはれ”」を始めた。チョークアートなどを体験した後、副住職の法話も聴きながら、ざっくばらんに日頃の出来事や悩みを語り合うスタイルが好評だ。

さらに昨年11月に「即応寺マルシェ」と題した地域開放行事を開催。本堂・境内で科学実験講座、クラシックコンサート、チョークアートやキャンドル作りなどのワークショップといった多彩な催しを行い、延べ約200人の人出でにぎわった。地元の町おこし団体との共催で4月29日に第2回を予定している。

二人には明確なビジョンがある。一般市民へのきっかけづくりとしての4こま漫画や「マルシェ」、さらに一歩深く踏み込んで仏教に触れる「お寺に“おいなはれ”」の段階を経て、真宗本来の聞法に人々を誘う重層的な仕組みづくりだ。

「マルシェ」の成功や新たな人とのつながりに手応えを感じている麻美さんは「燃えています」。真隆副住職は「本当の笑いは悲しみをごまかさず、乗り越えた先にある明るさ」と説き、一人でも多くの人に「悲しみや苦悩をそのままで終わらせず、受け止めて深い人生への願いに立ち返っていく道」を伝えたいと願っている。

(池田圭)