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聴覚障害者をサポート 語られる言葉文字に

横浜市中区・カトリック横浜教区 要約筆記サークル「イサク」

2017年5月24日付 中外日報(キラリ ― 頑張る寺社・宗教者)

教区福祉委員会主催の「障害 共に歩む集い」での要約筆記
教区福祉委員会主催の「障害 共に歩む集い」での要約筆記

3月11日、東日本大震災追悼のミサが東京都文京区の東京カテドラル関口教会で行われた。前方に設置したスクリーンに神父の説教や被災地支援ボランティアの共同祈願の言葉が次々と映し出される。語られる言葉を聞き取り、パソコンに文字入力するのは「要約筆記」のボランティアだ。その中には横浜教区から参加した要約筆記サークル「イサク」のメンバーの姿もあった。

同サークルは2005年に発足。カトリック大船教会(神奈川県鎌倉市)を拠点とするが、同教会専属ではなく、教区内の様々な行事でパソコン要約筆記などによる情報提供を行ってきた。「教会があらゆる障害者に対応できて、全ての人がミサにあずかって、主の食卓を共にするために、聞こえの障害をサポートしたい」との趣旨のもと、現在は十数人が所属。うち数人は難聴の障害を持つ当事者だ。

聴覚障害者のための情報伝達手段として手話を思い浮かべる人は多い。だが篠ノ井教会(長野市)信徒で「イサク」代表の千原惠子さん(63)によると、聴覚障害者といっても聞こえの程度もコミュニケーション方法も様々で、手話を使う聴覚障害者の割合は2割ほどという。「聴覚障害の有無は外見では分からず、当事者は声を上げづらい。要約筆記はまだ歴史が浅く社会的にも認知度が低いので、広く知ってもらいたい」と千原さんは訴える。

要約筆記には手書きとパソコン入力によるものがあり、それぞれ多人数を対象としたスクリーン投影と、1~2人を対象に利用者の隣で行う方法がある。その技術は県などの自治体が開く講座で習得できる。

パソコンを使った作業には特別なソフトを用い、4人で2人ずつペアになり入力する。集中力を要するため、10分ずつぐらいで交代する。シンポジウムや講演会では、取り上げられる話題を事前に学習し、先に資料がもらえる場合は専門用語を単語登録する。司式する神父の説教の動画があれば、どんな話し方かを確認し、入力の練習をするなど準備を怠らない。

定例会では練習や行事の打ち合わせ、難聴の会員から意見を聞く。最近は他教区でも勉強会、練習会が開かれるなど、要約筆記が知られるようになってきた。他宗教の信者の見学も可能だ。問い合わせは事務局=電話0466(26)7805。活動の様子は会員の個人ブログ「猫の手をつなぐ」でも紹介している。

(山縣淳)