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イベントで敷居低く 住民気軽に立ち寄って

東京都新宿区 日蓮宗瑞光寺

2017年5月31日付 中外日報(キラリ ― 頑張る寺社・宗教者)

星野住職も木魚で飛び入り参加したジャズ演奏(シャカシャカ祭りで)
星野住職も木魚で飛び入り参加したジャズ演奏(シャカシャカ祭りで)

都営地下鉄大江戸線・牛込柳町駅から地上に出ると、すぐに日蓮宗瑞光寺の山門がある。周辺は住宅地で寺も多く、境内に入ると都心であることを忘れさせる。江戸時代まで「武家の寺」として知られていたが、誰もが気軽に立ち寄れる寺に変わりつつある。

4月23日に開催されたシャカシャカ祭り。境内駐車場に模擬店が並び、輪投げなど子どもが楽しめるコーナーも設けた。客殿では蒔絵体験や万華鏡を作るワークショップが行われ、スタンプラリーで子どもたちが境内を元気に駆け回る。

店を出したり準備を進めたりしたのは、星野顯聡住職(37)の知人友人が中心の実行委員会。「スタンプラリーのチェックポイントの一つを『住職』にしよう」。打ち合わせでは、寺の外の人たちだからこその斬新なアイデアがどんどん出てきた。当日は狙い通り、動き回る住職を捜す子どもたちの歓声が境内に響いた。

お昼に「住職カレー」を振る舞うのも、実行委員の提案だった。日頃から寺の仕事を手伝う人にごちそうしていて好評だったからだ。朝5時から仕込んだカレーは、じんわりとスパイスが効いてくる奥深い味わい。瞬く間に用意した200食分がなくなった。

同寺を会場にイベントを開こうと言いだしたのは星野住職だったが、始めてみると実行委員会が主体的にどんどん企画を進めていった。「日常の仕事とは違うことでアイデアを出したり、みんなで一緒に取り組むのが楽しかったみたい」と星野住職。秋に第2弾を実施しようとの声も上がっている。

同寺は1595(文禄4)年の創建。江戸時代は紀州新宮藩主・水野家の菩提寺で恵光寺と称していた。明治になって瑞光寺と改め、檀家も増えたが一般住民には敷居が高かった。2015年に法灯継承した星野住職は「檀家でない人にもお寺に気軽に立ち寄ってほしい。子どもの時からお寺が身近であれば、大人になって何か困ったことがあっても相談に来やすい」と、誰にでも開かれた寺を目指す。

また近年の御朱印ブームの中、1年余前から星野住職の描いたイラスト入り御首題が話題になっている。平日でも毎日数十人が御首題を求めてやって来る。絵柄が時々替わるため、リピーターも多い。晋山間もない住職の心配りが、新たな縁を地域に広げている。

(有吉英治)