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レスキュー訓練の講師 災害時生きるすべ伝える

兵庫県伊丹市・黄檗宗常休寺 普喜正隆住職

2017年8月9日付 中外日報(キラリ ― 頑張る寺社・宗教者)

沖縄で行った消防潜水連盟の訓練で。左が普喜住職
沖縄で行った消防潜水連盟の訓練で。左が普喜住職

兵庫県伊丹市の黄檗宗常休寺で7月の金曜日、救命・応急手当ての講習会が開かれた。普喜正隆住職(47)は水難時の救援技術を普及し、潜水士を養成する消防潜水連盟の副会長・兵庫支部長でもあり、「お寺を空けられないので、僕自身は災害現場に行くよりも、もっぱら災害時に生活ができる技術を教えています」と話す。

普喜住職は消防職員向けに避難所運営のシミュレーション訓練(HUG)や災害図上訓練(DIG)の講師を務めたり、小学校の出前授業で水難時に着衣のままで救援を待つ水泳技術などを教えたりしている。去年までは、地元の伊丹市消防団中野分団長(今は団員)で、自坊で災害訓練を行ったこともある。

もともとスポーツ全般が好きで、ラフティング(小型ボートの川下り)などを楽しんでいたが、競技の何が危険かをいろいろと勉強し始めると、より面白さが分かってきたという。応急手当ての習得などもそれと同じで、「誰かのためにというよりも全て学ぶこと自体が面白く、自分の趣味に合致したということです」。

地域での活動はそれにとどまらず、PTA会長や社会福祉協議会役員として、盆踊りや祭り、餅つき大会、川を使ったリバーサイドフェスタ、子ども向け農業体験、音楽祭を企画するなど多岐にわたる。

5年ほど前から4月に境内で夜桜を見る会を始めた。地域の幼・小・中学の新旧の校長、教頭、PTA会長、社会福祉協議会の役員が集まり、親睦を深めている。今後も地域の人々が集まる行事を増やしていきたいという。

また以前はコンピューター関係の会社を立ち上げ、20年前には既に自坊のホームページを自作し、当時からメール相談を行っていた。現在は、SNSを活用して法要日程をアップしており、それを見た若い世代がお盆や彼岸などに駆け付ける。中でも、大みそかには除夜の鐘をつくために、遠方からも参拝者が続く。

「今は古いものを守りながら、いかに新しいことを住職が取り入れていくか、という時代です」と普喜住職。

寺院は地域の拠り所であり、「いつでも気軽にふらっと立ち寄れる場所でありたい。年中花を咲かせ、休憩場所をつくり、誰もが入りやすいお寺を目指しています」と話している。

(萩原典吉)