ニュース画像
初公開の水晶に納められた木造阿弥陀如来像
主な連載 過去の連載
エンディングへの備え
時代を生きる 宗教を語る
購読のお申し込み
新規購読キャンペーン
紙面保存版
トップ> キラリ ― 頑張る寺社・宗教者リスト> 教え伝わる「声」指導 元俳優の経験生かし

教え伝わる「声」指導 元俳優の経験生かし

東京都世田谷区 日本キリスト教団経堂緑岡教会 友野富美子担任教師

2017年9月13日付 中外日報(キラリ ― 頑張る寺社・宗教者)

足のマッサージから始まる講座。発声の前段階の身体調整から指導する(右から3人目が友野さん)
足のマッサージから始まる講座。発声の前段階の身体調整から指導する(右から3人目が友野さん)

伝道において、法話や説教が占める比重は大きいが、教えを伝える手段である「声」について、宗教者はどれだけ意識しているだろうか。

東京都世田谷区にある日本キリスト教団経堂緑岡教会の友野富美子担任教師(52)は俳優・声優の経験を生かし、「礼拝のためのボイストレーニング」指導を行い、福音を伝えるための声の重要性を訴える。

日本クリスチャン・アカデミー関東活動センターの講座として、昨年度から新設。今年も東京都新宿区の日本聖書神学校を会場に7月まで5回にわたり行われた。牧師だけではなく、礼拝で聖書朗読などを担当する一般信徒も参加した。

友野さんは学生の頃からキリスト者で、俳優時代も教会や劇場で聖書を題材にした朗読劇などを演じた。キリスト教を伝える仕事がしたいと志し、子育てをしながら7年がかりで同神学校を卒業した。その過程で「牧師は入念に準備して説教の原稿を書くが、声に対しては無頓着ではないか。不明瞭な発声で福音を伝えるのは良くない」と感じるようになった。

講座は神学校で友野さんを指導し、聖書朗読などに感銘を受けた戒能信生・同センター運営委員長が企画した。

顔や胸などに触れて自分の身体を意識するなど様々なエクササイズから始まる。靴下を脱いで足の指先までマッサージをしながらの自己紹介や立つ姿勢の矯正と発声の前段階である身体調整から指導する。

発声訓練もユニークなものだ。「声のキャッチボール」では、ボールを投げる動作とともに声を掛け合う。相手の立つ場所まで声が届く適切な方向や大きさを、参加者同士も指摘して意識させる。

参加者は「説教の原稿に話す間を記号で書き込んで意識している」「司式者がはっきりした大きな声だと礼拝の雰囲気が形成されて説教しやすいなど、自覚的に考えるようになった」と言う。

友野さんは発声技術を学ぶのは「福音を相手の心に届け、礼拝をもっと豊かなものとするための訓練」と語る。「相手に言葉が届いているか、常に吟味する」姿勢は伝道者に不可欠だ。「声が届き、言葉が伝わる過程で生身の人間同士の息遣いも伝わる」

来年度の関東活動センターでの講座も予定されている他、最近は牧師の勉強会などにも招かれ、講師を務める。

(山縣淳)