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布教にこだわらない 社会貢献へ様々な催し

浜松市西区 臨済宗妙心寺派龍雲寺 木宮行志副住職

2017年9月27日付 中外日報(キラリ ― 頑張る寺社・宗教者)

書家・金澤翔子さんの世界一大きい「般若心経」の前で坐禅を組む子どもたち(毎年恒例の子供サマースクールで)
書家・金澤翔子さんの世界一大きい「般若心経」の前で坐禅を組む子どもたち(毎年恒例の子供サマースクールで)

浜松市西区の臨済宗妙心寺派龍雲寺では写経会、坐禅会などの基本的な取り組みから、婚活、映画祭、ピラティス、大工体験まで幅広くイベントを開催している。企画する木宮行志副住職(39)は、対象を檀家に限らず、目的を布教にこだわらずにお寺だからこそできる社会貢献を目指している。

父の木宮一邦住職は静岡大教授を務め、常葉学園短期大学長、浜松大学長、副理事長を歴任。教育者だった先代、先々代住職も兼職で寺の外に出ることが多く、坐禅会などの活動は必ずしも活発ではなかった。

15年ほど前に僧堂から寺に戻った行志氏は、専従の副住職として青年部を発足させるなど、寺での活動を広げていった。その一つである小学生を対象にした「子供サマースクール」は今年で13年目を迎える。好評で100人の定員は毎年、募集を始めて10分で埋まるほど。

子どもたちは坐禅を体験したり、食事の作法や「いただきます」の意味について学んだり、遊びながら、いのちの大切さを身体を通して覚えていく。

それを支えるのは、父母のボランティア、寺の婦人部、檀家の人々の協力だ。子どもたちに手品を披露したり、レクリエーションの内容を提案してくれる。

行志副住職は「様々な人が集まり、お互いの得意分野を生かすことで良いアイデアが生まれる」と話す。

その思いから「龍雲寺だけに参拝者が訪れても意味がない。他のお寺と一緒に盛り立てていかなければ」と2010年に始めたのが、お寺での婚活イベント「吉縁会」だ。

静岡から発信し、現在では東京、名古屋、岐阜、大分、仙台と開催地が広がっている。行志副住職が中心になるのではなく、それぞれの地域の僧侶らが主体的に企画・運営などに携わる。

こうした取り組みが布教につながるのか。行志副住職は「目先の利益ではなく、社会貢献のためだけに様々なイベントを企画できるのがお寺の強み。人々が寺に何を求めているのかを把握し、現代に生きる人々の考えや悩みに向き合っていくことが肝要だ」と語っている。

(甲田貴之)