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ヨガで心身生き生き お寺の敷居低くしたい

大阪府吹田市 高野山真言宗常光円満寺

2017年10月11日付 中外日報(キラリ ― 頑張る寺社・宗教者)

明かりを落とした堂内でヨガに取り組む参加者ら
明かりを落とした堂内でヨガに取り組む参加者ら

「こんばんはー」。金曜日の夜、高野山真言宗常光円満寺(大阪府吹田市)の地蔵堂に女性らが集い始める。「寺ヨガ」の参加者たちだ。塗香を手に擦り込んで堂内へ。宝前に進み、手を合わせる人も多い。

インストラクターから会場を貸してほしいと頼まれ、同寺でヨガが始まったのは5年前。なかなか人が集まらず1年ほどで寺主催に切り替えた。ホームページなどでPRすると次第に参加者が増え、メディアで紹介されるようになったという。

第1・第3金曜の月2回開き、仕事帰りに参加しやすいよう時間は夜8時から。地元や近隣の町から毎回30~50人が集う。女性が中心だが、男性ももちろん歓迎だ。料金は1回1100円。割安な回数券もある。講師は現在、市内のヨガスタジオのインストラクターが交代で務めている。

寺ヨガはおつとめで始まる。「お地蔵さまに届くよう大きな声でお唱えを」。藤田晃秀副住職の導師の下、参加者は事前に渡された経本を手に般若心経と真言を唱えた。

ヨガの時間は75分間。講師の植田真弓さんが「ヨガに体の硬い、柔らかいは関係ありません。健康のための準備と思って気楽に体を動かしてください」と声を掛ける。薄明かりの堂内で参加者は様々なポーズを取り、心と体をほぐした。

ヨガの後もおつとめがあり、この日のレッスンが終わった。

お堂の中は「新鮮な気分」「邪念が取れそう」「普段は入れない『異空間』で楽しめる」と参加者は話す。植田さんは「鏡もなく、スタジオとは違った雰囲気で自分に入り込める」と言う。

藤田副住職は「ヨガは心身を整え、呼吸法は阿字観(真言密教の瞑想法)にも通じます」と効用を説きつつ、「お寺の敷居を高く感じている人が多い。一回でも足を踏み入れてもらえばお参りにも来やすくなる」と参拝のきっかけになることを期待する。「厄除け祈願などに来られる方も増えました」

以前はヨガと法話を併せて行っていたが、昨年から第1金曜を「イベント」の日と決め、ヨガ終了後に阿字観や声明コンサート、お坊さんのファッションショーなどを実施。今年の9月1日は初めて「授戒」を行い、喜ばれたそうだ。

イベントを始めてさらに参加者が増えた。藤田副住職は「このお寺はヨガで有名になりました」と笑いながら、「今後も工夫を凝らしてお寺の敷居を低くしたい」と意欲を語った。

(飯川道弘)