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精進モーニング好評 地元の人々憩う場に

名古屋市中村区 真宗高田派願隆寺

2017年11月8日付 中外日報(キラリ ― 頑張る寺社・宗教者)

モーニングを食べながら石浜住職と話をする参拝者ら
モーニングを食べながら石浜住職と話をする参拝者ら

毎月第1土曜、日曜の朝、真宗高田派願隆寺(名古屋市中村区)には「精進モーニング」を求めて遠近各地から多くの人が訪れる。メニューは、毎朝ご本尊に供える「お仏飯」で作ったお粥と、京都から取り寄せた漬物の盛り合わせだ。一般の参拝者が多く、「とてもおいしく、お仏飯を頂けるのはありがたい」と好評で、地域の人々の憩いの場となっている。

モーニングタイムは午前8時から11時半までで、9時からはお勤めと石浜章友住職(39)の法話がある。

お仏飯は毎日3合ほど供えており、下がったものを冷凍保存しておいて月に1回お粥にする。漬物にもこだわり、坊守の栞さん(36)が行きつけの京都の漬物店から仕入れ、7~8種類を添えている。

料金は設定せず、志納金で運営している。

「赤字ですが、皆さんに喜んでもらえることと、縁を結ぶことが将来の願隆寺にとってとても大切なことですから」

願隆寺は約400年の歴史を持つ寺だが、2005年に入寺した時には様々な事情から“檀家離れ”が進み、荒廃していたという。在家出身の石浜住職は「何かしなければこのままでは十数年後には寺がなくなってしまう」と危惧し、栞さんとお香教室など様々な取り組みを展開。その一つが、5年ほど前に始めた「お寺で精進モーニング」だった。

発案したのは石浜住職だが、「お寺で精進モーニング」という名前は栞さんが付けた。

「名古屋といえばやっぱりモーニング文化でしょう」。名古屋の喫茶店のモーニング文化は独特で、コーヒー一杯を注文しただけでもトーストやクッキーなどが付いてくることで全国的に知られている。

このネーミングが当たった。マスコミからの取材も多く、スタートした時には数人しかいなかった参拝者が、今では2日間で160人が来るまでに増えている。

「月1回のお粥で心身ともにすっとした気持ちになれる」という人もいれば、「母が作ってくれたお粥の味だ」と懐かしむ男性参拝者もおり、会話が弾むという。

「不思議な話ですが、お粥を作っていて感じるのは光です。他のご飯で試しても光は出ませんでした」と栞さん。「皆さんの体に阿弥陀如来様のみ光が届けばありがたいですね」と石浜住職は話した。

(河合清治)