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被災者に筑後米送る 心の平穏願いながら

福岡県筑後市 浄土宗林鐘院

2017年12月6日付 中外日報(キラリ ― 頑張る寺社・宗教者)

袋詰めにした筑後米を手にする三宅住職(左から2人目)ら
袋詰めにした筑後米を手にする三宅住職(左から2人目)ら

九州の米どころ・筑後平野から、困っている人たちの心の平穏を願って――。福岡県筑後市の浄土宗林鐘院では「筑後米一升運動」に取り組んでいる。三宅俊明住職(36)は「熊本地震では全国から多くの支援を頂いた。災害に遭われた地域の方々や支援を必要としている子どもたちに、この活動を通して少しでも手を差し伸べることができれば」と意気込みを語る。

「米一升運動」は、檀信徒らが寺院に持ち寄った米を、災害等で支援を必要とする人々に届ける運動で、滋賀教区浄土宗青年会によって東日本大震災発生直後から始められ、その後各地に広まっていった。

三宅明信・前住職が熊本教区長だった3年間、正住寺院の浄業寺(熊本県荒尾市)住職として同教区で運動に取り組み、東日本大震災の被災地に米を送った。熊本教区としての活動が休止になったため、現在は林鐘院が中心となり青年僧ら有志が協力する形で活動を続けている。

昨年は熊本地震が発生したため支援先の変更を検討した。大震災被災地への支援継続も念頭にあったが、宮城の被災者から「私たちはこれまで十分に支援していただいた。本当ならば自分たちが恩返しの支援をしなくてはならないが、まだできる状況にない。だからせめてそのお米は熊本の被災者のために使ってほしい」との声を受け、集まった米は熊本の被災者に届けることにした。

また熊本地震発生直後は熊本県内に直接荷物が配送されない状況になったため、隣県にあって県境に近い林鐘院が手を挙げ、宗内全国寺院から寄せられる救援物資の一時集積所にもなった。たくさんの物資が仕分け作業を経て、自家用車で被災地へとピストン輸送されたという。

今年は檀家の農家から収穫されたばかりの新米600キロが届いた。10月24日に精米と、配布しやすい3キロ用の米袋に詰め替える作業を行った。その米は、これまでの災害支援で縁ができた生活協同組合連合会グリーンコープ連合に寄託されるとともに、9月の台風18号で被害に遭った大分県津久見市にも、市内浄土宗寺院を通じて届けられる。

地震や台風などの自然災害が相次ぎ、まだまだ支援を必要とする人々がいる。運動の広がりを望むとともに、来年以降も九州内で発生した災害への支援を中心に、フードバンクや子ども食堂などにも米を提供していきたい考えだ。

(佐藤慎太郎)