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人々集う磁器アート教室 皆が笑顔になれる寺へ

新潟県上越市 浄土真宗本願寺派浄善寺 長井彰子坊守

2017年12月20日付 中外日報(キラリ ― 頑張る寺社・宗教者)

12月9、10日に西本願寺(京都市)で開かれた「ごえんさんエキスポ」に出展した彰子坊守
12月9、10日に西本願寺(京都市)で開かれた「ごえんさんエキスポ」に出展した彰子坊守

新潟県上越市・浄土真宗本願寺派浄善寺の坊守、長井彰子さん(31)は2年前に個人事業として磁器アート「ポーセラーツ」の教室を始めた。現在は同寺で週に3~4回の頻度で開き、毎回数人規模で檀家や地域の女性たちが集う。

彰子さんは茨城県の浄土真宗本願寺派の寺に生まれ育った。2014年に同寺の長井順一住職(36)と結婚し、実家から遠く離れた同寺に移り住むが、知り合いがいない地での生活に孤独感で耐え難くなる時もあったという。

そんな彰子さんがある時、門徒の一人から「趣味は何」と聞かれ、「ポーセラーツ」と答えると、「面白そう。ぜひ教えて」と言われた。「趣味のポーセラーツを通じて地域の人たちとつながるきっかけになるのでは」と感じて始めたのがポーセラーツの教室だった。

ポーセラーツは磁器「Porcelain」と芸術「Art」を組み合わせた造語で、世界で一つだけの磁器が手軽に作れるハンドクラフトとして広がった。転写紙と呼ばれる特殊なシートから好みのデザインを切り取って水に浸した後、それを貼り付けた白磁を専用窯に入れて800度で焼き上げて作る。

彰子さんは順一住職と結婚した際、両親にプレゼントする目的でポーセラーツを習い始めた。完成度の高い作品が作れる点に魅力を感じ、15年にはインストラクターの資格も取得した。

教室には彰子さんのブログを見て約20キロ離れた所から訪れる人もいる。中には「初めてお寺に入った」と打ち明ける若い女性も。回を重ねるうちに「お盆やお彼岸はどう過ごしたらいいの」といった仏事に関する質問を受けることもあり、「お寺にも関心を持ってもらえるのがうれしい」と話す。

順一住職も女性ならではの視点で新たなコミュニティー創出につながる彰子さんの取り組みを応援してくれるという。地元の中学校や仏教婦人会などの依頼に応じて出張教室も開く他、母と子のための音楽教育法「リトミック」の教室や檀家による英会話教室なども寺で開催する。

彰子さんは「昔からの伝統を守りながら、新たなことも取り入れて、皆が笑顔になれる開かれた寺にしていきたい」と意気込む。

(岩本浩太郎)