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自分の言葉で情報を発信 みうら氏命名の「イケ住」

奈良市・真言律宗海龍王寺 石川重元住職

2018年1月24日付 中外日報(キラリ ― 頑張る寺社・宗教者)

寺や玄昉を紹介した冊子類を手にする石川住職
寺や玄昉を紹介した冊子類を手にする石川住職

奈良市・平城宮跡の北東すぐ近くに立つ真言律宗海龍王寺。近年、女性の参拝者が増えてきた。石川重元住職(51)は「以前は7対3の割合でしたが今は半々くらいになりました。特に若い人が(本尊の)十一面観音様や仏像に引かれてお参りされます」と話す。

4年前、女性参拝者向けに作製したガイドブックが好評だ。一人の女性が住職の案内で寺を巡り、「素敵ポイント」を語るという設定。「外から見た時のお寺を意識した」と石川住職は言う。

漫画のリーフレットも話題を集めている。一昨年に製作の「海龍王寺のスゴイところ」と昨年作った「玄昉さんのスゴイところ」で、それぞれ寺の歴史と初代住職・玄昉の功績を分かりやすく描いた。

「文字だけだと、なかなか伝わらない。一般の人に理解してもらえるよう気を配った」力作だ。寺に置いてあり、ほとんどの参拝者は手にして持ち帰るという。

海龍王寺は飛鳥時代創建の寺を前身とし、聖武天皇は唐から帰国した留学僧の玄昉を住職にして寺号を海龍王寺に定めたとされる。明治以降に荒廃したが、石川住職の祖父だった先代住職が復興に尽力。1991年に石川住職が晋山した。

当時の石川住職は僧侶になって間がなく、住職として何をすべきか「迷路」をさまよっていたが2000年頃、他の僧侶と交わる中で一念発起。

近隣の法華寺、不退寺と共に01年から「佐保路の三観音巡り」を企画し、「自分の言葉で情報発信する必要がある」との思いから寺のホームページと自身のブログをインターネットに開いた。

その後、ツイッター、フェイスブックなどのソーシャルメディアを活用し、現在、地元FMラジオ局のディスクジョッキーも務める。親交のあるイラストレーター、みうらじゅんさんからは「イケ住」(イケてる住職)と名付けられた。

石川住職は「仏教で国を治める礎を築いた玄昉さんこそ初代『イケ住』だ」と玄昉の紹介に力を注ぐ。唐から帰国する船上で「海龍王経」を唱え暴風雨を乗り切った玄昉にちなみ、奈良時代に営まれていた「四海安穏祈願法要」を04年に復活。毎年4月18日に海の安全を祈り、災害犠牲者を供養している。

念願とする本堂の解体修理など、自坊の整備はまだ道半ば。「時代の変化を素直に認め、どうすればできるのか、伝わるのかを考えて」これからも前へ進む覚悟だ。

(飯川道弘)