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境内整い初の五重相伝 無住から復興、支援感謝

北九州市八幡西区 浄土宗吉祥寺

2018年5月9日付 中外日報(キラリ ― 頑張る寺社・宗教者)

大勢の受者や僧侶らの助けで初の「五重相伝法要」を勤めた。中央は青柳住職
大勢の受者や僧侶らの助けで初の「五重相伝法要」を勤めた。中央は青柳住職

吉祥寺は誕生山という山号からも分かるように浄土宗第二祖の鎮西国師聖光上人(1162~1238)生誕の霊場として知られる。聖光上人の生家があった場所に、難産のため亡くなった上人の母親を弔うために800年前に建てられた寺という。

現在の北九州市八幡西区、かつての筑前国の一角に城を築いた香月氏の菩提寺だったため檀家がなく、明治の初め頃には一時、無住の寺となったこともある。

先代住職の祖父が、明治中期頃に荒れた寺を復興するため第37世住職として入山。境内にフジの花を植え、それが今では立派に育ち、花の盛りの4月末には鎮西上人の開山忌に合わせて「藤まつり」を催すほどになった。

また、寺の由緒にちなんで安産祈願の寺としても知られるようになり、毎年の藤まつりには露店も出るほどのにぎわいを見せる。周辺はかつての炭鉱地域で、その時代に檀家もできるまでになった。

先代の青柳俊文・前住職(76)の時には、檀家が集まって施餓鬼供養や十夜法要を勤めるようにもなり、本堂を修復し、境内整備や裏門庭園の造営など寺の構えも整った。

その基盤の上に、今年2月末には5日間にわたる浄土宗の重要な法要「五重相伝」を、受者34人で初めて行うなど充実の時を迎えている。俊文前住職は「経済的に厳しい中でも境内の整備が私に与えられた使命と思い努めてきた。それがこのような形で結実するとは」と喜びもひとしおの面持ち。青柳俊教住職(38)は「今年は祖父、俊超和尚の五十回忌の年でもあり、開基から800年の節目に様々なご縁が重なりました」と話している。

「五重相伝」には、勧誡師の安永宏史・生往寺住職のほか、福岡教区の支部の浄土宗青年会を含め多数の僧侶が参画した。

密室道場の場では、鎮西上人が母の菩提を弔い、世の女性の安産を願って刻んだ秘仏「腹帯阿弥陀如来」(北九州市文化財)を前に据え、重要儀式の中で間近にこの仏を拝むことができ、受者一同が大感激した。

その様子に俊教住職も「五重相伝法要を無事勤めることができたのも、受者の皆さまやお助けいただいた各寺の皆さまのおかげ、阿弥陀様のご加護があってこそ」と、思わず感謝の涙があふれたという。

(山本雅章)