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仏教案内息長く35年 毎年の講演会、市民定着

埼玉県深谷市 深谷仏教青年会

2018年5月30日付 中外日報(キラリ ― 頑張る寺社・宗教者)

35回目の講演会開催を記念して行われた稚児行列(4月14日)
35回目の講演会開催を記念して行われた稚児行列(4月14日)

埼玉県深谷市の深谷仏教青年会は、設立から35年、仏教講演会を毎年開き続けている。宗派を超えた市町村単位の仏教青年会は全国的にも数少なく、市民に仏教への入り口を広げている。

今年も千人以上入れる深谷市民文化会館がいっぱいになった。花まつりに近い4月の休日、会場を変えない仏教講演会は市民に定着している。1983年の第1回の瀬戸内寂聴さんをはじめ、毎回著名人を講師に招いてきた。子ども電話相談で知られた無着成恭さんは「市の仏教青年会に呼ばれるのは初めて」と喜び、忙しいスケジュールを調整してくれた。

35年前、たまたま知り合いの青年僧数人が集まった時、若手で講演会を開こうと話がまとまった。現在深谷仏教会会長を務める中村信雄・浄土宗長福寺住職(69)は「当時は葬儀や法事で法話をあまりしなかったが、永六輔さんの仏教入門書がベストセラーになっていて、仏教の話を聞きたい人はいるはずと思えた」と振り返る。

そして青年会を立ち上げて開催した仏教講演会は、立ち見が出るほどの盛況となり、問い合わせも多く寄せられた。

これまで様々な事業を実施してきたが、変わらないのは春の講演会とお盆に行う仏教標語の配布だ。息切れしないよう継続事業は増やさず、その時々で活動内容を検討している。

昨年12月には曹洞宗昌福寺を会場に「深谷仏教フェスティバル―成道」を開催。地元出身のお笑い芸人・ゴルゴ松本さんの講演のほか、数珠作りや写経、坐禅など仏教体験を主体に企画。子ども連れの家族など大勢の人でにぎわった。

また今年4月14日には第35回講演会を記念して稚児行列を行った。JR深谷駅から文化会館まで約1・5キロを子どもと保護者約350人が1時間以上かけて練り歩いた。この時引いた白象は高さ約2メートルもあり、近年は倉庫にしまわれたままだったが、戦後間もない頃には深谷仏教会が花まつりで使っていたことが分かった。

会長の後藤高明・曹洞宗髙臺院住職(49)は「先輩が種をまいてくれたおかげで今のお寺がある。いつ芽が出るか分からなくても、次の世代のために種をまき続けておかねば」と話し、今後も着実な活動を引き継いでいくつもりだ。

(有吉英治)