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縁を結ぶ聖天祭開催 檀家の一言きっかけに

長野県上田市 真言宗智山派海禅寺

2018年8月1日付 中外日報(キラリ ― 頑張る寺社・宗教者・宗教施設)

聖天祭で法話する俊哲副住職(右端)
聖天祭で法話する俊哲副住職(右端)

真言宗智山派海禅寺(長野県上田市)で6年前に始まった「聖天祭」は、フリーマーケットやライブ演奏などを通じて、寺院を中核に檀家や地域住民らが縁を結ぶ場になっている。

境内では手作り雑貨のほか、チベット料理や天然酵母のパンを販売する約50店が並ぶフリーマーケット「まんだらまーけっと」が開かれる。染め物のワークショップやマッサージ体験などを行うブースもあり、家族連れをはじめ、多くの人でにぎわう。

チベットやインド音楽の奉納演奏、飯島俊哲副住職(38)による境内に祀られている諸仏を紹介する仏さまツアーも行われる。

聖天祭はある檀家女性の一言をきっかけに始まった。永代供養の依頼に訪れたその女性は同寺への寄進として、手入れされていない聖天堂を指し、「あの古いお堂を直してほしい」と申し出た。

御利益が強い一方、特別な供養が必要で、祀るのが難しいとされる大聖歓喜天(聖天)。古くから聖天堂はあったが、中途半端に供養することがはばかられ、手を入れていなかった。

「(寄進話に)驚いたが、何かの縁だと思った」と俊哲副住職。仏具などは檀家から任意で寄付を募り、2010年に聖天堂の修繕が完了した。

「聖天様を毎日供養することは難しいかもしれないが、1年に1度はしっかりと供養し、一日でも誰もがお寺にお参りする信仰の場をつくりたい」と俊哲副住職が聖天祭を企画。檀家からの賛同も得て実行委員会を設立し、12年に第1回を開催した。それからは毎年5月の第3日曜日に開いている。当初フリーマーケットの出店数は33だったが、口コミで広がり、今年は55店に上った。

重視するのは参加者が寺や仏教に出合い直し、自分自身の何かに気付くことだ。そのために、祈願法要や出店者を対象にしたお勤め、聖天についての法話など仏教行事をしっかりと務める。

俊哲副住職の新たな取り組みに飯島俊勝住職(74)は「人が集まる良い和ができている。特に子どもの声がするお祭りになっている」と喜ぶ。「今後スタッフが年を取っていき、体力がなくなってしまうだろう。続けることが大切」と話す。俊哲副住職も「とにかく続けていくこと。定着していくことを目指す」と語る。

(甲田貴之)