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テレホン法話1111回 震災経験も「発信続ける」

宮城県山元町・曹洞宗徳本寺 早坂文明住職

2018年10月24日付 中外日報(キラリ ― 頑張る寺社・宗教者・宗教施設)

テレホン法話ライブ(2016年10月の第10回)で、多くのゲストと共に盛り上がる本堂。奥左から2人目が早坂住職
テレホン法話ライブ(2016年10月の第10回)で、多くのゲストと共に盛り上がる本堂。奥左から2人目が早坂住職

1987(昭和62)年12月、突然、先代住職から託された「テレホン法話」。東日本大震災で被災しても発信し続け、31年間で1111回を数えた。

先代も3年ほど続けたが、ほかの役職を担い忙しくなったため、ちょうど自坊に戻ってきた早坂文明住職(67)に任せた。「唐突に『やれ』と言われたので、右も左も分からずに始めた。気負いがなかったから続いたのかもしれない」と笑う。

初回は大みそかが近かったこともあり、「大掃除」についての法話だったことを今でも覚えている。以来、毎月3回、電話に3分間の法話を吹き込んできた。

話のネタを探すことはライフワークになっているが、負担は大きい。「これがなければ、ほかのことをもっとできるかもしれない」と考えることもあった。だが「アンテナを張り、話題を探す。毎日、緊張感がある。この縛りがあったからこそ僧侶としての自覚を保ってこられた」と思うようになった。

震災では、兼務する徳泉寺が津波で流失。檀家も200人以上が亡くなった。電気や電話などのライフラインが断たれ、「(テレホン法話は)途切れてもしょうがない」「こんなことをやっている場合じゃない」と諦めかけたが、1週間で復旧すると、逆に「テレホン法話でも被災地の状況を発信し続けなければならない」と、始めた頃にはなかった固い決心が生まれた。

震災後は津波で流された徳泉寺を復興させるため、「はがき一文字写経」で勧募を呼び掛けた。7千口以上が集まり、建設中の客殿は来春に完成する予定だ。

2007年からは毎年、ピアノ伴奏や御詠歌、映像などを交えて、早坂住職が徳本寺本堂で話す「テレホン法話ライブ」を実施。3分間のテレホン法話では伝えきれなかった話などを、音楽や映像などに合わせて披露している。

早坂住職は「自分でかなわないと思うのが、音楽と映像。その力を借りればいっそうテレホン法話の魅力を発信できる。何よりも『お寺ってちょっと面白いかも』と興味を持っていただけたら」と語る。

第12回は28日、テレホン法話1111話を記念して徳本寺で午後2時から行う。寄席芸人の江戸家まねき猫さんがゲスト出演する。入場無料。問い合わせは同寺=電話0223(38)0320。

(赤坂史人)