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教え届け熱唱ライブ 仏教伝道、ロックにのせ

東京都港区・浄土宗林泉寺 豊島邦博副住職

2018年12月12日付 中外日報(キラリ ― 頑張る寺社・宗教者・宗教施設)

「法話LIVE」で袈裟を着て熱唱する豊島副住職
「法話LIVE」で袈裟を着て熱唱する豊島副住職

浄土宗林泉寺(東京都港区)の豊島邦博副住職(42)は、僧侶となる前にロックバンドでメジャーデビューを果たした経歴を持つ。現在は「沙門」というバンド名で活動しており、施餓鬼やお十夜などで招かれた寺院の檀信徒らの前で、「法話LIVE」と称してその歌声を披露している。

「沙門」はプロのギタリストとの2人組で、豊島副住職がボーカルを担当する。結成して1年ほどで、仏教や浄土宗の教えをロック調のJ-POPの音色に乗せて熱唱する。楽曲は豊島副住職自身が作詞・作曲。すでに20曲ほどが完成し、「光」「輪廻」「月影」の3枚のアルバムを自主制作、ライブ終了後に手売りしている。寺院の住職から「盆踊り用の曲も作ってほしい」との依頼もあるという。

「老若男女に好かれるようなバンドを目指している」と語るように、曲調は現代風でも、歌詞の内容は驚くほど真摯で直接的に仏教の世界観や念仏のありがたさなどを表現している。特に40~50代に好評で、「車内でいつも大音量で聴いています」との感想をもらったこともある。

「法話LIVE」では袈裟をまとった豊島副住職が登場し、まずは配布した歌詞を基に法話。その後、演奏に入る。サビの部分で「南無阿弥陀仏」と唱和してもらう曲もあり、歌いながらであれば檀信徒らに向かって自然に「もっと声を出して」と念仏を呼び掛けやすいという利点もある。

大本山増上寺布教師でもあることから、「浄土宗の教義に反したことは歌えないし、歌詞にも気を使う。人に伝えるためには自らでしっかりと咀嚼しなければならない。後から歌詞を一部変更することもある」と話す。

「僧侶の一番の職責は仏教の伝道。お寺によく足を運ぶ人だけでなく信仰心のない人にも、歌をきっかけにすれば仏様のありがたさを知ってもらえるのでは」

昨今、日本人の宗教的価値観が薄れ、それに伴って道徳や倫理の低下が懸念される中、潜在している仏教に縁のある人たちに教えを届けたいとの思いがある。そのため、人々が日常生活で触れる機会が多く、心に直接響かせることができる音楽で仏教を伝えたいと考えた。

「多くの人に聴いてもらうことが、社会全体の仏教への関心の底上げにつながる。いつか有線から自分たちの曲が流れるようにしたい」と抱負を語る。

(佐藤慎太郎)