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生き残り懸ける広報戦略 宗教教団のマスコミ対応(1/4ページ)

2015年1月14日付 中外日報(深層ワイド)

ほとんどの宗教教団にはマスコミ対応の窓口として広報担当の部署が設置されている。「広報部」「渉外課」「情報課」等々、呼称も様々で、総務部等に内包される場合もある。宗教教団は社会的存在であり、開かれた教団を目指す上でマスメディアとの良好な関係を築くことは不可欠だ。情報化社会の中で、いかに情報を発信、享受していくことができるか。教団の生き残りを懸けて広報戦略を練る時代が到来している。(河合清治)

比叡山で今年の言葉を発表する小堀光實・延暦寺執行(8日)

「尽真心」。大津市の天台宗総本山比叡山延暦寺で8日、今年の目標とする言葉が発表され、各新聞等で報じられた。この言葉を選び襖1枚分に大きく揮毫した小堀光實執行は、国宝根本中堂の60年ぶりの大改修のことも同時に発信した。

まだ3年目の試みで、京都・清水寺で年末に発表されている「今年の漢字」ほどポピュラーではないが、延暦寺では「これがとっかかりになって、少しでも多くの人に伝教大師の教えを知ってもらいたい」と期待する。

「黒住教は立教二百年を迎えました」――。昨年、『読売新聞』『産経新聞』『山陽新聞』『京都新聞』等の紙面に大きな見出しが躍った。岡山市北区に本部を置く黒住教の立教二百年をPRするカラー全面広告が掲載されたのだ。

「関東など東日本のお道づれ(信徒)から、『黒住教を知らない人が多く、怪しい宗教だと間違えられることもある。立教二百年を迎えた歴史ある素晴らしい宗教だということを知らせてほしい』との願いが寄せられ、思い切って一番発行部数の多い全国紙などに全面広告を掲載することを決めた」と、教務総長でもある黒住宗道・副教主は経緯を説明した。

特に広告の中では、単なる教団の歴史だけでなく、社会に奉仕してきた教団像がPRされた。日頃広告宣伝を行わない分インパクトは強く、約1千万円もの多額の経費を要したものの、この広報戦略は功を奏した。教主と有識者の対談などの特集企画等も呼び込み、秋に10回執行された大祝祭も大いに盛り上がりを見せた。

黒住副教主は「この勢いが今後の教団の発展につながれば」と願うが、両教団の取り組みは、教団広報の重要性の一端を示すものだろう。

少子高齢化による檀家制度の崩壊や、若者の信仰心の希薄化、金銭にまつわる不祥事等による汚れたイメージなど、宗教教団を取り巻く環境が厳しさを増す中、教団は社会に対して宗祖、教祖の教えを正しく伝え、公共の福祉向上に寄与する存在であることをアピールすることが必要だ。