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苦縁―東日本大震災 寄り添う宗教者たち
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問われ続ける宗教の役割 切れ目ない被災地支援の現状(1/6ページ)

2015年3月11日付 中外日報(深層ワイド)

「心の相談室」の活動を語る

未曽有の被害をもたらした東日本大震災から11日で丸4年。この間、被災地での宗教者による慰霊や追悼、被災者支援などの様々な活動に注目が集まるとともに、社会における宗教の役割が問い直され続けてきた。遺族に対する弔いから悲嘆ケアまで、一貫した切れ目のない支援を行うことを目的に2011年4月、宮城県に創設された「心の相談室」は現在も活動を続けている。その設立に関わった宗教者、宗教学者の3人が、自らの活動を踏まえつつ被災地の現状と課題を探る座談会で語り合った。(佐藤慎太郎)

宗教民俗学や死生学を専門とする東北大教授の鈴木岩弓氏(63)は、「心の相談室」の活動を踏まえ、2012年に東北大に「実践宗教学寄附講座」を開設し、公共空間で心のケアを行う「臨床宗教師」養成に取り組んでいる。社会の変化に対応した宗教者の未来像として、ターミナル(終末期)とグリーフ(悲嘆)のケアへの関与を提案する。

曹洞宗通大寺(宮城県栗原市)住職の金田諦應氏(58)は、震災を機に自らの姿を一から問い直し、仮設住宅や老人施設を回る移動傾聴喫茶「カフェ・デ・モンク」を主宰する。維摩居士のように一人の人間、一人の宗教者として、融通無碍に現実に対応しなければならないと訴える。

日本基督教団仙台市民教会主任担任教師の川上直哉氏(41)は、仙台キリスト教連合被災支援ネットワーク(東北ヘルプ)事務局長として各地の被災者支援に関わる。「信仰に基づいて祝意をもって調和をもたらす」ことこそが他でもない宗教者の役割であり、今後の支援の在り方については「小さく現場で」の精神が重要だと主張する。

(司会は北村敏泰・本紙編集局長)