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小僧教育の機能不全に対処 「僧侶の心得」学ぶ事前講習制(1/4ページ)

2015年4月22日付 中外日報(深層ワイド)

浄土真宗本願寺派と浄土宗西山禅林寺派で今年度、僧侶・教師資格取得の登竜門である得度習礼と加行を前に、受講者・入行生が「僧侶の心得」などを学ぶ事前講習制度が導入された。読経など基本的素養を身に付けないまま修行道場に入行する寺院子弟が増加していることが背景にある。僧侶養成を最大の使命とする各仏教教団では“小僧教育”の機能不全に応じた対策や、現職教師のさらなる研鑽制度の創設など、時代の変化を踏まえた僧侶教育システムの見直しが進められている。(池田圭)

今年度に始まった禅林寺派の加行前研修。高座に着いた加行入行生の後ろから指導僧が厳しく目を光らせる

両派と同様の事前講習制度は、伝統仏教各派共通の傾向だ。浄土宗は2000年に「教師養成道場」(当時は「律師養成講座」)の入行条件として日常勤行式の実技試験や師僧同席の「入行面接」などを義務化し、日蓮宗は06年、総本山身延山久遠寺で開かれる「信行道場」入行前に行う4泊5日の短期修行「僧道林」を新たに追加した。

かつては師僧が子弟に基本的な読経や作法、法衣の着衣などを身に付けさせた上で修行道場に送り出していたが、近年は身に付けないまま入行する子弟が増加。結果的に道場で「一から指導する事態になり、定められた修行期間中にこなすカリキュラムの達成が困難になる」――。事前講習の必要性について、各派の僧侶養成関係者はそう口をそろえる。

塾通いやクラブ活動など、子どもの教育環境の変化の影響が寺院子弟にも及び、「幼いうちから師僧の指導を受ける小僧教育が難しくなった」との声や、師僧が実子以外の弟子をとる徒弟制度の伝統が廃れているとの指摘も聞かれる。

ある九州の前住職(68)は東京の宗門大に在学中、都内の大寺院に住み込む随身生活を送り、法務を手伝いながら僧侶の基礎を学んだ。

「我々の世代は随身が当たり前だったが、最近はアパートで一人暮らしをする子弟が増えた。生活が豊かになった影響だろう」と話す。

他方、僧侶の研鑽は教師資格の取得で終わりではなく、各派で僧侶の資質向上のため、教学や法式、布教、一般教養など様々な研修会や講習会が開かれている。

ただ、原則的に受講は任意であるため、受講者の固定化や参加率の低下などの問題があり、一定の強制力を伴う僧侶の“再研修”制度を検討する教団もある。別の教団では住職の資格要件を見直した。