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小僧教育の機能不全に対処 「僧侶の心得」学ぶ事前講習制(3/4ページ)

2015年4月22日付 中外日報(深層ワイド)

生涯の学びを再確認したい 「10年ごと再研修する」

「新たな研修制度は全員に受講してもらうことが目的。未受講でも罰則のない現行制度と同じではなく、“穏やかなペナルティー(罰則)”を設けるべきだ」「何らかの厳しい仕組みが必要だ」との意見に対し、「厳しい制約で不満がたまることを危惧する」と慎重な声が上がる。

16年度から「教師10年ごとの研修」制度の導入を目指す浄土宗。16日に開かれた教育・教化法制委員会では、新たな研修を受講しなかった教師へのペナルティーをめぐり、意見が分かれた。新制度では全教師に受講を義務付ける方向で議論が進められている。

従来、教学や法式、布教、一般教養など教師を対象にした研修会は様々あり、「その数を単純に合計すると、実に1年間のうちおよそ4カ月あまりに亘って全国でいずれかの講習会が開催されている計算になる」。

だが、現行制度では講習会への参加は任意で、受講率の低下や受講生の顔触れがほぼ同じであることなどが問題になっている。ある教学研究関係者は「本当に研修が必要な人が来ない」と言う。

昨秋、約1万人の宗門教師を対象に行ったアンケートの中間集計では、過去5年間で宗派主催の講習会・研修会に全く参加したことがないと回答したのは4割余りで、「年3回以上」は1割ほどにとどまった。

講習会の出席率改善については罰則だけでなく、受講を僧階の進叙要件に反映させるなど受講意識を喚起させる仕組みや、遠隔地・兼職の教師に配慮した「在宅学習制度」の必要性なども検討されている。

近年、公立学校教員の指導力を保持・向上させるため教員免許の更新講習制が導入されたが、浄土宗の新制度も「一宗の教師となってしまえば、この恩恵を受けて一生自ら研鑽を積むことなく浄土宗教師であり続けることができる」ことへの問題意識が背景。僧侶に対する社会的信頼感の低下を踏まえ、“生涯の学び”を再確認したい考えだ。

同委員会の委員の一人は「課題は多いが、僧侶としての様々な基礎研修を積み重ねていくことが大きな目的。まず一歩踏み出すことが大切だと思う」と話した。