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小僧教育の機能不全に対処 「僧侶の心得」学ぶ事前講習制(4/4ページ)

2015年4月22日付 中外日報(深層ワイド)

僧堂修行は宗門の根幹 「寺院は家業でない」

水行に励む修行僧(浄土宗西山禅林寺派総本山永観堂禅林寺で)

臨済宗妙心寺派は2月の定期宗議会で、僧堂修行が宗門の根幹であることを重視する改革案を採択した。修行期間の短期化傾向で、僧堂修行が危機にひんしていることを強く意識した内容で、猶予期間を置いて5年後に施行する。

住職の世襲化・寺の家庭化が進み、伝統的な小僧修行ができなくなったことが大きな背景としてある。ある宗門役職者は「寺族も檀家も、寺院を“家業”と見なす意識が高まってしまった」と嘆く。

「徒弟関係よりも、親子関係が優先」(別の宗門役職者)するようになり、厳しい僧堂修行を敬遠する風潮が強くなってきた。師匠(授業師)などもそれを許容する傾向がある。

また、数が多いわけではないが宗門僧侶の不祥事もあり、改めて禅僧としての在り方が問われている。そのため、僧堂入門前の教育も含めて、宗門の責任で禅僧としての資質を備えた住職を育てる必要に迫られてきた。

今回の改革では、地域のリーダー的存在となる由緒寺院や経済基盤が強い寺院の住職資格を厳しくし、僧堂の必要修行年数を延長した。

その一方で、兼業しなければ寺院運営が困難な寺院の住職資格を緩和する措置を取った。この場合、花園大の僧侶育成課程を履修すれば、必ずしも僧堂修行が必要でなくなるが、その学徒にも内局がやむを得ないと判断する条件が付く。内局は、たとえ卒業時に僧堂修行が無理でも、いずれかの時に1年間でも体験してほしいという。

現在、同派の僧堂では7割以上の雲水が3年以内に修行を終えており、年数の短い雲水が指導的立場の「評席」になるケースがある。

この点について、2月の定宗で山本文匡・教学部長が「僧堂は長年修行している評席、4、5年の修行者、それに新たな修行者がいるのがバランスが取れた形。5、6年の修行者が現在の2、3倍に増えないと伝統的な修行が成り立たない」と指摘している。

僧堂については、修行年数ばかりでなく、その内容が問題とする声もある。特に僧堂内の指導が、教育か、それともいじめなのかが指摘されるケースがある。同派では6月の人権擁護研究会で、僧堂を含めた人権意識の向上を図る。また今秋に評席の研修会を開き、人権の問題を取り上げる。これらを通して、宗派全体の人権意識を高めていきたいという。