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檀家制度やめたら信徒増えた

熊谷市の寺院 新たな形のつながり深める(1/5ページ)
2015年6月10日付 中外日報(深層ワイド)

「寺離れ」「墓じまい」といわれるように一般の人たちと寺院との間に距離が広がり、寺の経営は厳しさを増している。このような中、埼玉県熊谷市の寺院で檀家制度を廃止したところ、逆に信徒が増えた。家族間の宗教の違いや子どもの代に迷惑を掛けたくないなど、様々な理由から檀家制度を敬遠する人たちが寺との新たな形のつながりを結んでいる。世間の意識との溝を前に、従来の枠組みに固執しない寺院改革が必要な時代になりつつある。(赤坂史人)

寺離れの歯止めに…

廊下に商品としての仏壇を並べている見性院。葬儀から墓石までトータルに葬祭業を手掛ける

同市の曹洞宗見性院が檀家制度を廃止したのは3年前で、代わって導入した信徒制度は①旧檀家は菩提寺(見性院)に葬儀や法事を頼まなくてもよい②住職は旧檀家以外の葬儀や法事も行う③墓地を檀家以外にも(宗旨や国籍なども問わずに)分譲する④寄付、年会費、管理費などは一切ない――などが特徴だ。

見性院は市街地から南に約5キロの所にある。市街で新たに墓地を求める住民の多くは霊園に行くという。市内の葬儀社員は「中にはお寺に墓地を購入したいと言う人もいるが、後継者がいなかったり、希望する寺院墓地がなかったりで、園に行かざるを得ない」と説明する。

橋本英樹住職(49)は「市民が見性院の前を通って(無宗教の)霊園に行くのを黙って見ているわけにはいかない」と語る。寺院経営が先細りする中、維持するためにも市街地などから信者を獲得する必要性があった。

市内に暮らす友人に「お寺は昔からの人たち(檀家)でスクラムががっちり組まれているから、よそ者が入っていくのに抵抗感がある」と言われたこともあった。寺院に人が来たがらないのは、しがらみが多いことが理由の一つであると気付いた。