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公平さ訴え始めた各教団 「教科書の中の宗教」の記述(1/4ページ)

2015年6月24日付 中外日報(深層ワイド)

「教科書で我々の宗派・宗祖はどう教えられているのか」。法然上人と親鸞聖人の師弟関係など、公教育における宗教や信仰の取り扱いが論議を呼んでいる。中外日報に、関係する論文が掲載されたこともあり、教団の議会で取り上げられ対応を探る動きが広がっている。実態把握のため、付置研究所での調査・研究も開始。宗教と教育の関係全体を見直す機運が生まれ、教化の問題と位置付ける教団もある。(佐藤慎太郎)

第一学習社の高校倫理の2015年度版教科書で、「親鸞は、師の法然の教えを継承し発展させた」との記述を、「親鸞は、師の法然の教えを継承しつつも、独自の道を歩むことになった」と、見直したことが最近明らかとなった。同社は、毎年の点検の際に従来の記述を問題視した『教科書の中の宗教』(藤原聖子著)等を参考に、執筆者との相談の上で変更した、とコメントしている。

真言宗が迷信・呪術だと思わせる記述があるとして、同宗豊山派では教科書における弘法大師や真言宗、密教の記述について調査する研究班を総合研究所内に設け、6月から本格的に始動させた。「本文中でなくてもトピックス欄で、提供した情報が掲載されれば大きな一歩となる」と、吉田敬岳・教化センター長は意気込む。

長らく各出版社の教科書では、法然上人と親鸞聖人の関係を「発展」あるいは「徹底」といった表現で記述してきた。これに疑問を呈したのが林田康順・大正大教授であり、「『法然上人と親鸞聖人』記述に思う―高校『倫理』教科書の問題点」と題して本紙に論文を寄稿した。

中学・高校で公民と倫理を教えた経験を持つ林田教授は、「各宗教・各宗派の地位は等しく尊重されなければならないと教育基本法15条(旧9条)にある。教義を他と比較して、どちらか一方を勝れたものと記述することは法に反するもので、不適切な記述となっている」と訴えた。

教科書会社各社に修正を求めることになれば、執筆の現場や教科書会社の実情に対する知識も必要となる。一方で、宗教教団による教育への介入・圧力になりかねないとして、慎重な戦略が必要との意見もある。