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宗教情報の管理を再検証 個人情報保護法施行から10年(1/5ページ)

2015年7月8日付 中外日報(深層ワイド)

サイバー攻撃で日本年金機構から大量の個人情報が流出した事件は、宗教界にもセキュリティーの重要性を再認識させることになった。ネットワーク社会の中でこの種の漏洩事件は後を絶たず、ひとたび発生すると大きな被害につながる可能性がある。寺社や教団には僧俗に関わる重要な個人情報が蓄積されている。プライバシー意識の高まりを背景に、個人情報保護法が施行されてから今年で丸10年。宗教界でも情報管理の在り方を再検証する必要がある。(飯川道弘)

情報保護シールの貼られた下鴨神社・相生社の絵馬

京都市左京区・下鴨神社の境内にある相生社は「縁結びの神様」として知られる。良縁を願って奉納された絵馬の数々を見ると、それぞれに赤いシールが貼られている。願主の名前や祈願の内容を目隠しする情報保護シールだ。

同社の神職は「修学旅行生が友達の絵馬を見て冷やかしていたのがきっかけです。絵馬を写真に撮ったりインターネットに上げる人も増えてきたので用意しました。個人情報は保護しなくてはなりません」と述べ、デリケートな願い事を他人に見られたくない人への配慮だとする。

10年ほど前に導入し、シールは絵馬と共に授与所で渡される。長方形の紙に「えんむすび 相生社」の文字。貼るかどうかは本人の自由だが、今ではほとんどの人が利用するという。

では絵馬に書かれた名前や願い事などの情報をオープンにすると、個人情報保護法に触れるのか。

宗教法人に詳しい松枝尚哉弁護士(京都弁護士会)は「信者さんは見られても構わないと考えて自分で絵馬を掛けており、法的には問題ない」と指摘する。

曹洞宗では今年2月、宗門寺院の年回表の画像がインターネット上で公開され、不特定多数の人たちが常時閲覧できる状態にあることが明らかになった。

年回表には、その年に年回法要を迎える檀信徒の情報として戒名、死亡日、施主名などが記されており、画像は宗門の要請ですぐに削除された。

何を見せ、何を見せないのか。自分たちはどのような個人情報を持ち、その情報を持つ意味は何か。取り扱いにこれまで以上の慎重さが求められる。