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どう受容するのか仏教界 マインドフルネス流行の兆し(1/5ページ)

2015年10月28日付 中外日報(深層ワイド)

欧米で流行する仏教由来の瞑想法(心理療法)「マインドフルネス」が日本でも広まりつつある。臨床的、科学的に効果が指摘される瞑想法に魅力を感じる人が増え、その流れで坐禅会に顔を出す人も見られるようになった。いち早く注目する仏教者がいる一方で、伝統的な瞑想法と比べ否定的な意見も聞かれる。仏教界はこのブームをどのように受け止め、仏教者としてどのように対応するのか。(赤坂史人)

マインドフルネス(mindfulness)とは 仏教の念(パーリ語のsati=サティ)の訳語。日本語では「注意深さ」「気付き」「心にとどめておくこと」などと訳される。仏教の八正道の一つ、正念に関する実践。

呼吸や身体の一部に注意を向ける瞑想法で、体の感覚を観察する「ボディスキャン瞑想」や「歩く瞑想」「食べる瞑想」などがあり、組み合わせて実践する。感じたことに価値判断を入れず、今あるがままの感覚、状態を受け止める方法。

マインドフルネスは無宗教だが…

近年、マインドフルネスに関する書籍が多く刊行されている

「坐禅できる寺を探したのですが、近くにありませんでした」。こう話すのは千葉県内に暮らす40代女性だ。パニック障害を患い、赤坂クリニック(医療法人和楽会、東京都港区)に通院している。ここでは以前から坐禅会を行うなどしていたが、2013年6月からマインドフルネスを外来治療(ショートケア)に用いている。

会場では10人ほどの患者が自ら敷いたヨガマットの上で、ヨーガや瞑想を行う。見た目は普通のヨーガなどと変わらないが、指導者は呼吸や体内の感覚に集中するように教えている。

女性は参加し始めて薬の服用が確実に減少した。瞑想の効果を確信し、もっと深めたいと考え、坐禅会をインターネットで探した。

マインドフルネスは呼吸法などを用いて、「今」という瞬間の心と体の状態に気付く瞑想法だ。誰でも簡単に実践できるという。エンゲージド・ブッディズムで知られるベトナムの僧侶ティク・ナット・ハン氏が、20年以上前から瞑想法のキーワードとして用いてきた。ハン氏はあくまでも仏教として行っているが、マサチューセッツ工科大医学部名誉教授のJ・カバット・ジン氏は臨床研究によって、心理療法に取り入れた。

1979年に同医学部の中に「マインドフルネス・センター」を設立し、宗教色のないプログラムを作った。その後、別の研究者らがうつ病などを治療するための認知行動療法の中に取り入れた。現在も脳科学や臨床で有効性が実証されつつあり、世界の700以上の医療機関で利用されている。

日本でも近年、雑誌や書籍、テレビで紹介されており、瞑想に興味を持つ人が増えている。