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赤ちゃんポストを関西に 「いのち守る」取り組み広がる(4/6ページ)

2016年7月27日付 中外日報(深層ワイド)

円ブリオ基金高校生も募金協力 1円で胎児を救う

街頭で円ブリオ基金への協力を呼び掛ける京都聖母学院高の生徒たち

「こうのとりのゆりかごin関西」実行委員会は、人見代表の下、関西の「円ブリオ基金」のメンバーがスタッフとして活動を支えている。

エンブリオ(embryo)とは8週目までの胎児のこと。「1円で救えるお腹の赤ちゃん」を合言葉に、1口1円の基金を積み立てて、経済的困難を抱える妊婦が安心して出産できるように支援する。東京の基金センターを中心に各地に運動が広がっている。

円ブリオ京都を運営する「京都小さな生命を考える懇談会」の創設メンバーの一人、卯野由美子副代表は「妊娠時の不安は赤ちゃんにも良くない。明るい気持ちで過ごしてほしい」と話す。

卯野さんが生まれた1953年、妊娠中絶は100万件に上った。「こんなに多くの“同級生”が亡くなったのか」とショックを受け、30年前に会を発足。お腹に宿ったいのちを大切にと基金や講演会、電話相談「妊娠SOSほっとライン」などの活動を続けている。

京都では牛乳パックをリサイクルして「基金箱」を一つ一つ手作りし、役員や支援者の家庭、団体、学校、商店などに置いてもらう。

村上繁樹副代表が宮司を務める高松神明神社(中京区)はその一つ。京都文教中・高(左京区)など宗教関係校は協力に前向きで、大谷中・高(東山区)は釈尊誕生を祝う花まつりに合わせて生徒が作った基金箱を校内に設置、集まった善意を会に寄託する。京都聖母学院高(伏見区)の3年生は毎年、街頭募金で支援を呼び掛け、今年1月は保護者を含め107人が参加した。

卯野さんは「宗教をバックにした学校はいのちを守る活動への理解があります。いのちは授かりものであり、特にキリスト教では受精した瞬間を人の誕生だとして趣旨に賛同されます」と、宗教界の支援に期待する。

これまでに京都で10人(全国では566人、6月末現在)の赤ちゃんの誕生を基金で支援した。

昨年秋には滞日外国人の夫婦をサポート。母親が出産直前に交通事故で入院し、貯金を切り崩して生活する中、会がミルク代やおむつ代等を援助した。父親は「もっと困っている日本人もあると思うが応援していただいた」、母親は「出産、事故でこんなにお金のない状況になるとは思わなかったが助けてくれた」と会に感謝の言葉を寄せた。

「こうのとりのゆりかご」については「批判的な声もありますが、今あるいのちを大切にするのが私たちの立場」と卯野さん。併せて「親子のつながりを育む教育も大事」と力を込めた。