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依頼主と納得し合える仕組みを 僧侶派遣じわりじわり浸透(2/5ページ)

2016年8月10日付 中外日報(深層ワイド)

仏教界は批判の目を向けているが

背後には寺院間、僧侶間の格差問題

広がりを見せているインターネットを活用した僧侶派遣サービスに対して、仏教界は批判的な目を向けているが、ビジネスとは一線を画した僧侶派遣を模索する動きもある。収入面に不安を抱き、派遣を利用せざるを得ない僧侶は、僧侶派遣の背後に「格差問題」があると指摘する。

宗派の派遣システムを 当局は慎重な姿勢

全日仏の批判を受けて、各宗派の宗議会や会合では宗務当局の見解を求める動きも出ている。

真言宗智山派の小宮一雄宗務総長(当時)は今年2月の教区代表会で「公式見解は出していないが、個人的には全日本仏教会が発表した意見と同意見」と説明。臨済宗妙心寺派の栗原正雄宗務総長も、3月の宗務所長会で「(全日仏の)加盟教団として賛同するのが派のスタンス」としたが、議員からは「妙心寺派の僧侶がこの事業に登録した場合、処分を考えるくらいの方向性を出してほしい」と強硬な意見もあった。

これに対して、栗原宗務総長は「『同じような僧侶派遣システムを派としてつくれないか』『経済的に困窮している僧侶の窓口を』などの声もある。課題として考えねばならない」との意向を示し、注目を集めた。

宗派による僧侶派遣のシステムづくりを求める声は他でも出ている。だが寺院間にトラブルを持ち込む恐れもあり、慎重な姿勢を示す宗派もある。

今年3月に開かれた浄土宗宗議会。「宗として全国の教師から希望をとって登録し、宗から派遣をしたり、相談に乗ったり、また相談者の近くの寺院を紹介するなどといったサービスをすべきではないか」との質問に、淺野義光総長公室長は「宗務庁が(菩提寺に所属していない)他の教師を派遣することは、通常の状態ではないのではないか」と答えた。答弁は菩提寺があるにもかかわらず、檀家が他の寺院の紹介を求めてくるケースを想定したもので、そうした場合、寺院間で問題が発生しかねないとの思いがあった。