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メリット大きいが手続き煩雑の声 「指定寄付金」は制度周知がカギ(3/5ページ)

2016年9月28日付 中外日報(深層ワイド)

HPや機関誌では伝わりにくい情報

被災寺院がこうした情報を知るには包括法人や全日本仏教会(全日仏)、地域仏教会等の所属団体の広報が重要だ。被害が大きかった曹洞宗は11年7月、教団ホームページ(HP)で制度を説明。全日仏も11年6月号の「機関誌」で紹介し、これ以降も何度も取り上げた。

12年9、10月に文化庁宗務課と全日仏、曹洞宗らの職員が被災3県を調査した。全日仏の報告書(当時)によると、「実際は多くの方が制度を知らなかった。(中略)既に修復が済んでいる寺院もあり、(中略)知っていれば、少しでも復興の手助けになったであろうと思うにつけ残念でならない」とある。

HPや機関誌の通知だけでは気付かない僧侶が多かったようだ。福島県の曹洞宗僧侶は「HPは副住職など若い人しか見ない」と、高齢の住職らはネットをあまり利用しないのではと推測する。また福島は原発避難等で混乱しており、同宗の県宗務所は被災寺院を対象とした説明会は行わなかったという。

一方、神社本庁と福島県神社庁は12年8月28日、文化庁宗務課や福島県担当者らと共に福島県内の神社2社を調査に訪れ、宮司らに制度を説明した。その後、県神社庁は県内全18支部に制度を周知する冊子を配布。被害が大きかった沿岸部の3支部では合同説明会を実施した。

大國魂神社の山名隆史禰宜はこの説明会で制度を知った。このことからも、実際に被災地に赴いて説明を行い、周知することが一つのポイントになる。