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寺と地域の連携に課題 南海トラフ地震への備えは(3/5ページ)

2016年10月26日付 中外日報(深層ワイド)

本願寺派西教寺耐震シェルター設置 木材再利用で改修費抑制

本堂に耐震補強フレームを取り付けた西教寺

大阪府和泉市の本願寺派西教寺では、築200年の本堂が西向きに傾斜していたため、6年前に修繕を宮大工に依頼。その時の調査によって、シロアリや雨漏りによる柱の腐食が見つかった上に、隣地に大浴場が建設されたのが原因で地盤沈下しており、震度6程度の地震が起きれば倒壊の恐れがあると分かった。南海トラフ地震による大阪府での最大震度は6弱。浅井了明住職(66)は「何かあってからでは遅い」と、大規模な改修工事を決意した。

門徒に状況を説明して浄財を募ることになったが、建て替え工事をすれば億単位の費用がかさむ上、着工までに時間もかかる。それまでにも本堂で法要などの行事が開かれるため、まず着手したのは、堂内の四隅に地震時に逃げ込める耐震シェルターを設けて一時的な対策を取ることだった。「j-Pod」と呼ばれるこの工法は、箱のような構造体を造り、本堂の柱と一体化させるため、地震の揺れに強い。

改修工事では床下にセメントを流し込んで土台を固め、床下や天井などの木材の接合部に耐震リングを約200個付けて固定した。さらに、シェルター設置時に使用した木材を解体して補強フレームを造り、柱や梁の部分に接合し強度を上げた。シェルター部材の再利用で改修費は数千万円に抑えることができたという。

浅井住職は「阪神・淡路大震災や東日本大震災を受けて、耐震化の必要性を感じた。災害時には門徒が安心して避難できる寺院となるよう、今後も防災対策を続けたい」と話す。

また、浅井住職が組長を務める大阪教区三郡組では今年2月に「災害・防災研修会」を開き、組内住職らに災害時の寺院の対応や役割について考える場を設けた。