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札所山主の総出仕のもと、十一面観音の宝前に表白を捧げる田代化主(中央奥)、徳道上人の御影を前にした鷲尾会長(左)
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僧侶連携し檀家離れ防ぐ 法灯守る地域での共同教化(2/4ページ)

2016年11月23日付 中外日報(深層ワイド)

社会環境から求められる、新たな共同教化の取り組み。個々の事情を超えてネットワークを構築するには、共通の土壌、地域の実情に応じた働き掛け、方法が効果を生む。宗教者同士の交流、信頼の醸成が何よりも求められる。

亀岡市仏教会必要とされるお寺へ ネット通じ多彩な番組

11月に配信しているオリジナル番組「おしゃべりダンマ」のひとこま。毎月、市内の寺院を巡り、住職や寺族とスタッフが語り合う

京都府亀岡市内の134カ寺が加盟する亀岡市仏教会は、ホームページ「てらかめネット」を通じ、ユーチューブやフェイスブックで、様々な番組を配信している。毎月スタッフが各加盟寺院を巡り、住職・寺族と約30分間語り合う「おしゃべりダンマ」が好評だ。

「てらかめネット」は2005年にスタートし、当初はラジオ番組を制作・放送していた。録音や編集などは全て会員の手作り。13年2月から動画による「ダンマ」の放送を開始し、各種法要も配信するようになった。来年秋、亀岡市にコミュニティーラジオのFM局が開局する予定で、ここにも参加して番組を作りたいという。

亀岡市仏は一時、活動が低迷した時期があったが、仏教離れ、檀家離れに歯止めをかけようと、加盟寺院が3年ほど前から仏教会の活性化の取り組みを始めた。昨年からは、4月29日~5月上旬に「花祭りウィーク」を設定し、朱印帳で市内寺院を回るスタンプラリーを始め、各寺でコンサートや文化財展示などを行うことにした。

同ウィークの実行委員長で「ダンマ」にも出演している杉若惠亮副会長(56)=日蓮宗法華寺住職=は「各派の行事だと参加する人が限られるが、仏教会という窓口に広げることによって、誰でも参加できる。その利点を生かして今後も企画を発案し、アクティブに発信していきたい」と意欲的だ。

大谷俊定会長(72)=曹洞宗苗秀寺住職=は「今後はもっと超宗派の取り組みが必要になる」と期待を掛ける。

近年は月参りが減り、檀家との関わりが少なくなる一方で、地域で様々なストレスを抱える人が増えているとし、大谷会長は「お寺は心を癒やし、心を豊かにして人間性を磨く場所。そのお寺の姿が、地域の文化として根付くように仏教会が働き掛けなければならない」と考えている。

さらに「人々から必要とされるお寺」の発想が求められるとして、仏教会が弁護士ら多くの専門家とネットワークをつくり、檀家の悩みに応えていきたいという。「仏教を知らない人が増え、僧侶や寺族もお寺は葬儀や法事でしか用がないと思っているが、それは違う。法灯を守り、それを具現化していく場所が寺院」と大谷会長は思う。