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僧侶連携し檀家離れ防ぐ 法灯守る地域での共同教化(3/4ページ)

2016年11月23日付 中外日報(深層ワイド)

真宗高田派福井別院納骨堂が経済的支え 足腰強めて本山の役割

高田派の地元約50カ寺の活動拠点として、改革が進む福井別院

檀信徒の身近な施設・別院を足腰の強い別院に生まれ変わらせるため、8年前から真宗高田派福井別院(福井市)の改革が始まった。地元の「重荷」ともいわれていた別院だったが、護持地域約50カ寺(福井県第1組、第2組、第3組)の活動拠点になりつつある。各寺院の檀信徒の減少を見越し、どうすれば法灯を守れるか、別院の改革は今も進行している。

改革の手始めは納骨堂「浄法雨堂」の建設。本堂裏手を増築し、廊下続きで出入りできるようにして、別院運営の経済的支えの核にした。

宗門では宗祖の御廟がある本山専修寺(津市)への納骨を推奨しているが、福井では以前から「高齢で本山まで参れない」といった檀信徒の声があり、宗門の了解のもとで、その要望に応えた。毎年11月の報恩講には法主を迎え、一連の行事に納骨堂への法主参拝を組み込んで本山との結び付きをつくった。また納骨堂法要の日を9月に新設。現在は毎日のように参拝者が訪れ、別院との縁を深めている。

別院から院号を交付することもできるようになった。従来は本山への申請のため葬儀に間に合わないこともあったが、迅速な対応が可能になった。懇志は本山と同じだが、寺院への返還率を高くすることで申請が増え、別院の収入にもつながる好循環を生んでいる。

改革を牽引する徳照慶壽副輪番(67)=圓光寺住職=は「コンセプトは一般寺院のための別院づくり」と話す。別院が地域の本山的役割を果たしつつ、僧侶が育つシステムもつくりつつある。

企業経営者でもある徳照住職は08年に輪番に就任。当時は輪番が運営上の赤字を退任時に負担する慣例があり、輪番の引き受け手がなかった。その任期を4年から2年にし、護持地域の住職が持ち回りで輪番を務めるように規則を変更。また各組長を評議員とし、常に護持地域の住職の意識が別院に向く仕組みにした。

現在、別院のホームページを開設して寺院専用のパスワードを設定し、若手僧侶のために作法などを動画配信する準備を進めており、間もなく実現する。

また来年秋の導入を目指して、護持地域の各寺で行われる葬儀の法務員を別院から派遣する態勢を整備中。徳照住職は「これから檀家数が減少し、兼職する住職が増えて、葬儀の依頼があっても対応できない時代が来る。その時、別院が50カ寺をフォローできる体制を整えたい」と説明する。

寺院の修繕や改修に充てる共済制度も構想中で「いずれ寺院の合併や、その時の檀信徒の受け入れ先の選定などを別院が担わなければならなくなる」と予測している。