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苦縁―東日本大震災 寄り添う宗教者たち
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死の床に寄り添い共に念仏 役割見直される「臨終行儀」(3/4ページ)

2016年12月7日付 中外日報(深層ワイド)

大河内大博氏遺族の思い受け止め ケア担い嘆きに寄り添う

医療従事者や宗教者でつくる仏教看護・ビハーラ学会は、「現代版臨終行儀を考えるつどい」を今年2月まで12回にわたって開いてきた。現在も課題を引き継いだ勉強会が、ほぼ隔月で開かれている。

「つどい」には毎回25~30人が参加。医師や看護師、ケアマネジャー、僧侶らが意見を交わした。臨終行儀そのものについて検討するよりも、死生観を育むことをテーマにして、看取った経験や看取られる不安などが語られた。

「つどい」の世話人を務めた上智大グリーフケア研究所の大河内大博・主任研究員(37)=大阪市住吉区・浄土宗願生寺=は、臨終行儀を遺族のケアとの関わりで捉える。「亡くなった人が救われている、次の世があるという思いがあれば、悲しみはあっても、基底には『また会える』といった安心がある」

だが、宗教者が「次の世界」だけを説くならば、遺族の感情との間に溝が生まれるという。「次の世界を伝えるのは僧侶の役割だが、それは結論。今会いたいというかなわない気持ちを抱いて、もがいている遺族の思いを受け止めることが前提になる」と十分な配慮が必要だとする。

大河内氏は兵庫県川西市の市立川西病院でスピリチュアルケアに携わってきた。「看取りの現場に宗教者がコミットして、そこで患者さんのケアを担い、遺族の嘆きに寄り添う。それらが連綿とつながっていくことを目指している。その延長線上で自然と臨終行儀が見直され、求められるようになるのではないか」と話す。

大河内氏は現在、自宅での看取りに関心を寄せる。今年10月で病院での取り組みに区切りをつけ、来年4月からは在宅医療を中心にする医師と連携しながら、宗教者としての役割を探る。