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広がる「フードバンク」運動 生活困窮者に食べ物を(2/4ページ)

2017年1月18日付 中外日報(深層ワイド)

3月設立へ準備進む フードバンク板橋

「フードバンク板橋」の板橋区民まつりでの「フードドライブ」

日本では現在、約60団体が活動するフードバンク。藤村行一・浄土真宗系単立昌玲寺住職(43)が代表を務める「フードバンク板橋」は3月3日に設立を控える。

東京都板橋区前野町の民生委員でもある藤村住職が呼び掛け人となり、第1回の準備委員会を開いたのは昨年3月で、約70人が集まった。

同年10月15、16日に開かれた板橋区民まつりにブースを出店し、賞味期限の切れていない食品の寄付を呼び掛ける「フードドライブ」を行った。企業や区民から缶詰や大袋入りのパスタなど段ボール4箱分35キロの食材が集まり、区内の母子寮と設立したばかりで食材が集まらない子ども食堂へ分配した。

活動を知り、食料を保管する倉庫にアパートの空き部屋を提供してくれる人が見つかった。

藤村住職が地域への関わりを積極的に意識する契機となったのは、約10年前に町内会の役員の仕事を誘われて手伝うようになったことだ。

町内会の縁から民生委員を引き受けた。地域の介護予防運動教室の会場に寺を提供。境内に防災用の井戸を掘り、外塀にAEDを設置するなど、地域を意識した活動に取り組むようになり、地域の人々とのつながりも強くなった。

民生委員として「いたばし生活仕事サポートセンター」開設を知り、足を運んで区の委託でセンターを運営するNPOスタッフと知り合ったことがフードバンク設立のきっかけになった。動きだすとこれまでの活動で生まれた人脈が生き、「多くの人たちから財産を頂いていたことに気付かされた」。

フードバンクにとって難しいのは食料を必要とする施設や個人とつながることだが、藤村住職は民生委員であることから、所在地などの情報公開が制限される区内の母子寮と接触できた。

母子寮では約10家族が暮らす。受け取った施設長からは「こんなに素晴らしいものはない。クリスマスプレゼントにしたい」と感謝された。

地域住民の一人として行政や市民団体にも働き掛け、「オール板橋」での活動を目指しており、「地元の社会福祉協議会、民生委員さんなどと相談するところから始めた方がいい」とアドバイスする。