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広がる「フードバンク」運動 生活困窮者に食べ物を(3/4ページ)

2017年1月18日付 中外日報(深層ワイド)

礼拝堂を配布拠点に 日本基督教団西新井教会

セカンドハーベスト・ジャパンの作業風景
セカンドハーベスト・ジャパンの作業風景
食料配布の会場となった西新井教会礼拝堂
食料配布の会場となった西新井教会礼拝堂

既存のフードバンク団体の活動に協力する参加方法もある。

キリスト教系のウェスレー財団(東京都港区)は、フードバンクへの取り組みを日本のキリスト教会に広げるため日本初のフードバンク団体「セカンドハーベスト・ジャパン」(略称2HJ)に協力し、教会関係者との話し合いやフードバンク見学を行う「クリスチャン・フードセイフティ・フォーラム」を数回にわたり開いた。

この取り組みを通じて日本キリスト教会柏木教会(東京都新宿区)が、生活困窮者に食料を配布する2HJの「ハーベストパントリー」活動の拠点となった。

昨年12月から新たにパントリーの拠点となったのが東京都足立区の日本基督教団西新井教会だ。

足立区は2014年、18歳以下の生活保護者数が00年比で1・4倍の3200人に増加。小中学生の保護者が学用品費などの支援を受ける就学援助率も国平均の2倍以上の約36%で、区は子どもの貧困解消に取り組む。

2HJは区と連携し、昨年、区内のひとり親世帯5千世帯に食料配布の案内をしたところ、約800世帯が都内浅草橋の事務所を訪れた。今後、区内に配布拠点を設けるため、ウェスレー財団を通じて昨年7月、説明会を開いた。

西新井教会はアメリカのメソジスト教会が社会福祉施設などの隣保事業を行った「愛恵学園」が設立母体。社会貢献事業として付属認可保育園を運営し、現在は67人を受け入れる。

木造の礼拝堂の耐震改修完了を機に「教会のミッションとしてさらに地域貢献できないか」と林牧人主任牧師(44)が考えていた時、説明会で会場として使いたいと依頼された。

園長として保護者と接する中、炊事洗濯に苦労している父子家庭、朝食抜きで子どもが園の給食を頼りにしている家庭など、子育て世代の厳しい現実を目にしてきた。

教会の幹事会に諮り、教会堂の一室を提供することを決めた。食品は2HJが用意し、行政の紹介を受けた人に受け取ってもらう。保育園運営で行政との連携の経験もある。

クリスマスイブの昨年12月24日に初回を行った。区の窓口から紹介を受けた1家族3人にアルファ米、缶詰、レトルト品、野菜など食品十数キロを渡した。牧師、幹事が立ち会い、2HJからは2人が派遣され、事前に動線も確認。保育園も開いている日のため、正門ではなく裏門から会場へ入れるよう配慮した。

月1回土曜午後の配布を継続する予定で、教会の幹事の中から自宅を配布拠点に提供したいとの声が早くも上がった。